(中編からの続きです)
定期運行終了日が間近に迫った寝台特急あけぼの。外気は冷たくても、車内は熱気に包まれていました。
 
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何と、デッキまで立ち客で溢れかえっています。上りのあけぼのには立席特急券利用の制度はないのですが。
これって、どうしてもあけぼのに乗りたいっていう人が、強行乗車したということなのでしょうか?
 
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いや、それは違います。実は車内販売で記念グッズを買い求めようとする人の長蛇の列なのでした。
車内販売は新青森から秋田までの間で実施。中には数量限定のものもあるので、私も列に並びました。
ちなみに、普段はA寝台個室に乗車しないと入手できないアメニティセットも特別に販売され、これが一番人気。
車内では先着2名しか買えないということもあり、青森出発前から熱いバトルが繰り広げられていました。
 
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ちなみに、車内販売の記念グッズのメニューですが、紙でマスキングされている部分が気になりませんか?
私も何だろうと思って隙間からちょっと覗いてみたら、缶バッジでした。一時的に品切れになったようですね。
もっとも、この缶バッジは青森に向かう途中、秋田駅の売店ですでにゲットしていましたので問題なしです。
 
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アメニティセットと並んで人気が高かったのが記念弁当。上りの車内限定で、しかもうれしい記念掛け紙付き。
入荷数は把握していませんが早々売り切れてしまい、列に並んだにもかかわらず買えない人が続出しました。
 
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その他には、記念プレート(サボ)やミニチュアヘッドマークなどを購入。ついつい散財してしまいました。
まあ、明日からまたマジメに働きますから、たまには無駄遣いもいいでしょう。(←本当にマジメに働いてる?)
 
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グッズを買うのに予想以上に時間がかかってしまい、個室に戻ることができたのは弘前駅に着く直前でした。
冬の弘前のホームに津軽三味線の発車メロディが響き渡ると、堰を切ったように寂しさがこみ上げてきました。
 
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さて、夕食としますか。持ち帰って保存するために掛け紙をそっと外し、静かに弁当の蓋を開いてみました。
中身はご覧の通り。見た目にも彩豊かな、海の幸満載の美味しそうな弁当で、頬張ったら元気になりましたね。
 
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列車が大鰐温泉に到着する頃、ようやくグッズを買い求める乗客の列が解消され、静けさが戻って来ました。
車内販売のスタッフも、各号車を巡回する本来の業務をやっとスタート。やはり車内販売はうれしいですよね。
廃止間際ということで特別に実施された車内販売ですが、これがあるとないとでは旅情が全然違います。
 
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弁当を平らげすっかり満足した頃、列車は大館に到着。国鉄時代と基本的に変わらない構造が魅力の駅です。
ここには毎晩欠かさず改札口であけぼのを見送るファンがいることで有名。あっ、どうやらあの方のようですね。
A寝台個室は大館駅1番線のちょうど改札口付近に停まるので窓から手を振ったら、振り返してくださいました。
こんな何気ないやり取りも、寝台特急あけぼのの旅の醍醐味なんですよね。おかげで心が温まりました。
 
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ところで、今回あけぼのに乗車するにあたり、私はある誓いを立てていました。それは酒を控えるということ!
というのも、年末にあけぼのに乗った際、青森出発と同時に酒盛りを始め、泥酔&爆睡してしまったからです。
あけぼのの夜を満喫するはずだったのに何やってんだという反省から、当初は一滴も飲まないことを検討。
しかし、新津までは飲まない→酒田までは飲まない→秋田までは飲まない、と誓いはどんどんトーンダウン。
しまいにはせっかくA寝台個室が取れたというのに、好きな酒を我慢するなんてバカバカしいという結論に到達。
「シングルデラックスの夜に乾杯!」と、大館駅出発直後に缶ビールをプシュッとやってしまったのでした(苦笑)
 
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列車は世界一の大太鼓で有名な鷹ノ巣に静かに滑り込みました。ホームには大太鼓のオブジェが見えます。
そんな光景を眺めながら、やはり夜汽車のビールは最高だねと、自分自身の方針転換を懸命に正当化。
まあ、酒を買ってあけぼのに乗り込んでいる時点で、早々にこうなるであろうことは分かっていましたけどね。
情けない話ですが、私の場合、誓いは破られるためにあるようなものなのです・・・
 
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秋田で車内販売員が下車し、車掌さんによるお休み放送が流れると、通路を行き交う人も少なくなりました。
車内にはガタンゴトンという規則的な走行音だけが響き渡り、一定のリズムで静かに夜が更けていきます。
 
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A寝台個室の窓は進行方向左側、つまり山側になるので、時折通路に出ては夜の日本海を眺めていた私。
そうそう、日本海といえば、かつて大阪と青森を結んだ寝台特急の名称に使われていたことはご存知ですよね。
酒田駅のホームには現在も日本海の乗車口案内板がぶら下がっています。もう廃止されたというのになぜ?
でもこれを見ていると、いつの日かまた復活するかもしれないという淡い期待を抱いてしまいそうになります。
 
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鶴岡に到着。アルコールも体中に行き渡り、シングルデラックスの広いベッドが眠りの世界へと私を誘います。
その後も村上あたりまで頑張って起きていた記憶はあるのですが、デジカメに残っていた写真はここまで。
消えゆく寝台特急あけぼののシングルデラックスのベッドで熟睡することは決して苦い思い出なんかではなく、
将来的にはきっといい思い出になってくれるはず。そう信じた時、何だか肩の荷が下りたような気がしました。
それですっかり安心したのか、いつの間にか眠ってしまった私でした・・・(続く)
 
【お詫び】前編・中編・後編の3回に収まりきらなかったので、次回完結編をお送りします。(←引っ張り過ぎ!)