(前編からの続きです)
ワイルドな湯浴みを楽しんでいる真最中にクマと遭遇してしまった私。撃退道具はなく、まさに万事休すでした。

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こんな場合は下手に身動きせず、じっとしたままやり過ごすこと。いつか聞いたその方法を実践してみました。
するとクマは森の奥へと静かに立ち去ったのです。まさに間一髪で助かりました。もともとクマは優しい動物。
もしかしたら、もうもうと立ち込める湯気と、周囲一帯に漂う強烈なアブラ臭に恐れをなしたのかもしれませんね。
本来ならこの隙に撤収すべきだったのでしょうが、私にはこの後どうしても試してみたいことがあったんですよ。

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それは、この源泉にマイたらいで入ること。実は藪の中を苦労して相棒のたらいをここまで連れてきたのです。
クマがまた舞い戻ってくるかもしれないという恐怖に怯えつつも準備を開始。さて、どこにたらいを置こうかな?
でも、さすがに源泉の湧出地点のすぐ横は危険だと判断。そもそもここでは湯が熱すぎるということもあります。

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そこでたらいは湧出地点から少し離れた平坦地に置き、湯も地面を伝って小川に流れ込む直前で汲むことに。
それでもかなり高温なんですけどね。おかげで折りたたみバケツの底に穴が開いてしまったではありませんか。
私は、期待して投じたカプセル怪獣が敵に倒されてしまった、モロボシダンのような気分になってしまいました。

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穴を手でふさぎつつ一人バケツリレーを黙々と繰り返し、何とかたらいに湯を溜めることに成功。これでよしと。
たらいから湯がこぼれるギリギリまで溜めたかったのですが、一刻も早く冷ますために途中で妥協したのでした。

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この時点で湯の温度は69.1℃でした。この濃厚な源泉に加水せずに入るために、放置して自然冷却します。

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湯の表面には不気味な泡が多数浮かび泳いでいます。不思議なことに、はじけて消えようとはしないんですよ。

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さて、あとは適温になるまで気長に待つことにしましょう。ちょうどベンチの代わりに使える倒木もありますしね。

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湯気に包まれるブルーのたらい。いつになく神秘的かつ幻想的な雰囲気で、私はもううっとりしてしまいました。

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しばらく何もせずボーっとしていた私でしたが、湯が適温になるのを待ちきれず、手桶を使って湯もみを開始。

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ようやく湯の温度が50℃を下回りました。これならもう入れます。湯の温度とは逆に私のテンションは急上昇!

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まずは手のひらを湯に沈めてみます。するとすぐに見えなくなってしまいました。本当に真っ黒な湯なんですね。

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さあ、お次はいよいよ全身入浴です。それにしてもこのロケーション、本当に素晴らしいの一言に尽きますよね。
新緑の今の時季もいいのですが、秋の紅葉もまたきっと見事なのでしょう。季節を変えてまた来てみたいです。

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念願成就。これはいつまでも思い出に残るたらい入浴になりそうです。そう言えば、クマはどこに行ったのかな。
ここで私はある歌を思い出しました。そうか、裸だったから助かったのかもしれない。多分そうに違いないと。
何の歌を思い出したかって?誰もが知ってる、あの名曲ですよ。私はその歌を口ずさみたくなってしまいました。

「くまの子見ていたかくれんぼ おしりを出した子一等賞」

こんなに濃厚でワイルドな温泉にたらいで入れるなんて、『にんげんっていいな』ってクマも思ったのかも!?
いやいや、お尻を出したおっさんにすっかり呆れ果て、森の奥のお家に帰っていったんでしょうね、きっと・・・