私には、行ってみたいと思いつつも、ずっと行けずにいた温泉がありました。自宅からそう遠くはないのに、です。
その温泉について調べれば調べるほど、興味本位で安易に近づいてはいけないような気がしていたんですよね。
その温泉について調べれば調べるほど、興味本位で安易に近づいてはいけないような気がしていたんですよね。
しかし、先日思い立って出かけてみることにしました。その温泉は、山奥にひっそりと存在するといいます。
クマ除けの鈴を装着したのはもちろんのこと、ヘルメットも着用して、いつもよりも重装備でスタートしました。
クマ除けの鈴を装着したのはもちろんのこと、ヘルメットも着用して、いつもよりも重装備でスタートしました。
出だしは歩きやすかったのですが、次第に道が荒れてきました。途中にはこんな溝ができてしまっている場所も。
これは地震でできた亀裂ではなく、夏の豪雨の影響でできた雨裂(ガリ)ですね。これでは車は通行できません。
これは地震でできた亀裂ではなく、夏の豪雨の影響でできた雨裂(ガリ)ですね。これでは車は通行できません。
橋の両側のガードレールも雪の重みでひしゃげてしまっていて、冬は雪に閉ざされることを雄弁に物語ります。
思ったよりもアップダウンがきつく、足取りが重くなってきた頃、前方が開け、奥に建物が見えてきました。
人の気配はありません。それもそのはず、この温泉は現在長期休業中。これは事実上の廃業と言っていいでしょう。
人の気配はありません。それもそのはず、この温泉は現在長期休業中。これは事実上の廃業と言っていいでしょう。
いつ休業に入ったのかはよく分からなかったのですが、建物はまだそれほど傷んでいないように見えました。
建物の脇を通って奥へと進んでみると、何やら階段が見えてきました。きっとお目当てのものがそこにあるはず。
階段を一気に駆け上がった私の目の前に現れたのは、満々と温泉をたたえたコンクリート製の湯船でした。
その場に佇み、私もついにこの温泉にやって来たんだなあと思うと、妙に感慨深いものがありましたね。
その場に佇み、私もついにこの温泉にやって来たんだなあと思うと、妙に感慨深いものがありましたね。
源泉は、奥の斜面の上方から湧いているようです。そこからパイプが湯船に向かって滑り台のように伸びています。
源泉パイプは2本。それぞれのパイプからドバドバと凄い量の温泉が投入されています。ワクワクが止まりません。
湯の温度は34.3℃と温めです。もう少し温度がほしいところですが、小春日和なので問題なく入れるでしょう。
この湯船は、今は露天風呂の状態ですが、かつては建屋があり内風呂だったそうです。では、入ってみましょう。
おお、しっかりと肩まで浸かれる深さがあり、なかなかの入り心地です。湯は口に含むと独特の苦みがありました。
しかし、やっかいなことに、湯船の底には藻がびっしりと付着していて、非常に滑りやすく危険でした。
そして、歩くたびに藻がごっそりと剥がれ、それがワカメのように湯の表面に不気味に浮かび上がるのでした。
そして、歩くたびに藻がごっそりと剥がれ、それがワカメのように湯の表面に不気味に浮かび上がるのでした。
でもね、ワカメ状の物体が列をなしてゆっくりと排水口に向かい、そこから豪快に投げ出されるのは見ていて快感!
時間があれば、湯船の底の藻をすべて剝ぎ取って、「ワカメよさらばキャンペーン」でもやりたかったくらいです。
時間があれば、湯船の底の藻をすべて剝ぎ取って、「ワカメよさらばキャンペーン」でもやりたかったくらいです。
湯船の縁には、かつて建屋を支えた金具がむき出しで残されていました。これはつかまり棒として役立ちました。
また、周囲のコンクリートがいい感じで苔むしていて、何だか幽玄な美のようなものを感じてしまいましたね。
また、周囲のコンクリートがいい感じで苔むしていて、何だか幽玄な美のようなものを感じてしまいましたね。
湯船に浸かれば、建物越しに美しい紅葉の山々を眺めることができます。思い切って来てみて本当によかったなあ。
かつては信仰の対象として大事にされたという温泉。霊験あらたかな雰囲気をかみしめながらの入浴となりました。
深まりゆく秋にディープな温泉。B級温泉の深みにはまり、もう凡人には戻れないこと、私はよく分かっています・・・
深まりゆく秋にディープな温泉。B級温泉の深みにはまり、もう凡人には戻れないこと、私はよく分かっています・・・
コメント
コメント一覧 (2)
そろそろこのエリアにも雪が降り始める頃ですかね…。
にしやん
がしました