冬の足音が聞こえてきた晩秋のある日。雪が降る前に一度行ってみたいと思っていた場所に出かけてきました。

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一応、舗装されてはいますが、対向車が来たらすれ違いが困難な細い山道を進んでいきます。心細くなる風景です。

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進行方向右側の高台に、何やらコンクリート製の建物が見えてきました。隣には櫓らしきものが立っています。

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むむ、この物体は?秋の冷気の中、もうもうと湯気が立ち上っています。この外観はどう見ても源泉タンクですね。

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斜面の上にある白いコンクリートの建物は源泉小屋で、そこからパイプでこのタンクに湯が送られているようです。

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実はこの施設、温泉スタンドなんだそうです。このボックスは料金箱?いえ、この中にはバルブがありました。
なお、特に施錠はされていません。つまり、誰でも無料で利用できる温泉スタンドということです。これは太っ腹。

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では、早速利用させてもらいましょう。たらいを脇に置いてバルブを全開!凄い勢いで湯の投入が始まりました。

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瞬く間にたらいが満タンになります。これは時短の効果が大きくて助かるなあ、なんてお気楽に思っていたら・・・

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源泉ホースがのた打ち回り、制御不能状態に。しかも湯が激熱なので、ホースに触るのも容易ではなかったのです。

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まあ、見ている分には結構楽しかったんですけどね。貴重な温泉を無駄づかいしてしまってすみませんでした。

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湯が激熱と書きましたが、実際に何度かというと、61.8℃もあるのです。これなら中距離輸送も大丈夫ですね。

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湯が熱いので、たらいへの投入は8割程度にとどめ、湯が早く冷めるようにしました。本当は満タンにしたいけど。
現場が緩い坂道でたらいが傾いているのが気になったのですが、これは現場にあった段差スロープで解決です。

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しかし、困ったことにただ放置しているだけではなかなか湯の温度が下がりません。これでは日が暮れてしまう。
焦った私は、ミニバケツで湯もみを開始しました。もちろん、本当はこんな作業やりたくないんですけどね。

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すっかり日が落ちて辺りは真っ暗だというのに、たらいの湯はまだ52.6℃もあります。でも、もう入らなきゃ。
というのも、ここに来るまでの山道には電灯がなく、夜は危ないんですよ。脱輪なんかしたらシャレになりません。

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という訳で、夜の帳に背中を押され、「熱湯コマーシャル」状態でたらいにドボン。あれっ、気持ちいいじゃん・・・