雪国新潟に生まれ育ったこともあり、雪解け水が絶え間なく流れる様子を眺めることが子どもの頃から好きな私。

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そう、こんな光景はまさに春の到来って感じで、つい心が躍ってしまうものですよね。あれ、でも何か変だぞ。

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藻が大量に発生しているではありませんか。雪解けの冷たい流水ならば、こんなことにはならないはずです。

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私は小川の上流を見つめました。こうやって見てみると、やはり雪解け水が流れてきているだけのようですが・・・

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あっ!私は思わず声を上げてしまいました。小川の主たる水源は周囲の残雪ではないことに気づいたからです。
白い壁の小屋の方からザーザーと何かが流れ出しているみたいですね。私は興奮して坂を駆け上がりました。

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あれは一体・・・?枯草に身を潜めておりちょっと分かりづらいので、もっと近づいて確かめてみましょう。

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うわ~、これは凄い。そう、実はこれ、未利用の温泉なんです。白い小屋は源泉小屋だったという訳です。

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しかも温度は40.1℃で温めの適温。商業利用するには温度が足りませんが、垂れ流しとしては十分合格です。

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なお、どういう訳か、別の所でも塩ビパイプが突き出しており、そのパイプからも温泉が出ているのでした。

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温度の測定結果は全く同じでしたので、これは同一の源泉だと判断して問題ないでしょう。もったいないですね。

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もうこれはたらいで入ってくれと言わんばかりの好条件。私は逸る心を抑えつつ、その準備にとりかかりました。

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まずは持参したミニバケツを横に倒して台座とし、現場のパイプにマイ塩ビパイプ&エルボのセット装着します。
口径の違いから激しく湯漏れしてしまっていますが、これは全く問題にはなりません。なぜかと言いますと・・・

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とにかく凄い湯量なんですよ。パイプの接続部で湯漏れしているにもかかわらず、このドバドバ感なのです。

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おかげで瞬く間にたらいが満タンに。たらいからフレッシュな源泉が瀑布のごとく流れ出しました。
なお、地面がぬかるんでいてたらいが傾いてしまったので、急遽現場にあった板切れを差し込んで補強しました。

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手持ちのアイテムと現場の資材を組み合わせていかにたらいに湯を導くか。これを考えるのが面白いんですよね。

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たらいのすぐ側にはフキノトウが顔を出していました。フキノトウも春の訪れを待ちわびていたことでしょう。

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いや~、たまりませんね。舐めれば塩辛く、触感はトロトロ、おまけに香ばしいアブラ臭!泉質も極上でした。
なお、この温泉は出ている時と出ていない時があり、これまでのアタックでは全敗。ようやく念願が成就しました。
ほとんど人がやってこない場所なので、しばらくのんびり春を満喫。対戦ありがとうございました・・・