温泉マニアの間で評価の高い温泉地の1つである山形県の肘折温泉にも、3月で姿を消した温泉施設があります。


「肘折いでゆ館」です。小規模な温泉宿の多い素朴な肘折温泉の中で、異色とも言える大きくて立派な施設です。
遠くから見ると体育館のように見えなくもありません。それにしても、3月だというのに積雪量が凄いですね。

遠くから見ると体育館のように見えなくもありません。それにしても、3月だというのに積雪量が凄いですね。

隣の広場には巨大雪だるま「おおくら君」が鎮座していました。これでも真冬に比べれば痩せたのでしょうけど。


「肘折いでゆ館」は、日帰り入浴だけではなく、食事や休憩、会議、研修、イベントにも対応する総合施設。
道理で大きな建物のはずです。ループ橋として有名な肘折希望大橋とともにランドマーク的存在になっています。

道理で大きな建物のはずです。ループ橋として有名な肘折希望大橋とともにランドマーク的存在になっています。

その「肘折いでゆ館」ですが、3月23日をもって入浴事業を終了しました。結構人気がありそうなのになぜ?
老朽化が理由ということではなさそうです。近くに「カルデラ温泉館」もあるので選択と集中ということでしょうか。

老朽化が理由ということではなさそうです。近くに「カルデラ温泉館」もあるので選択と集中ということでしょうか。

館内の売店では、地元の特産品とともに不要となった備品類の販売が行われていました。施設の“終活”ですね。


建物は3階建てで、浴室は3階にあります。入浴事業終了後も食堂や休憩コーナーは存続するとのこと。
つまり3階部分のみが閉鎖される、ということみたいです。温泉に入りたければ「カルデラ館」へ、なんですね。

つまり3階部分のみが閉鎖される、ということみたいです。温泉に入りたければ「カルデラ館」へ、なんですね。

では、惜別入浴といきますか。地元の人や観光客でごった返しているかと思ったら、意外にも空いていました。


浴室は広々しています。露天風呂こそありませんが、窓が大きく開放的な空間でした。湯の濁り具合がいいですね。


湯船にはアツアツの源泉が静かに注がれています。投入量は少ないですが、浴槽の湯の鮮度は良好な状態でした。


分析書によれば、源泉の温度は65.8℃と高温。湯量を絞って投入することで適温を維持しているのですね。


こちらは奥側にある一回り小さい浴槽です。やや浅く、湯船の縁を枕に寝て入るのにちょうどいい感じでした。


大小のいずれの湯船も堂々のかけ流し宣言。いわゆるセンター系なのに泉質も湯の使い方もピカイチなんです。


ただし、1つだけちょっと気になったことがありました。それは、このかけ湯がなぜか空っぽだったことです。


何でも湯量が不足しているのだとか。いでゆ館の入浴中止も、湯量の減少が一因なのかもしれませんね。


まあ、決まってしまったことは黙って受け入れるしかないですよね。景色を眺めながら、ゆっくり過ごしましょう。


あ~、やっぱりこれは名湯ですね。でも、肘折温泉は泊まってなんぼの温泉地。今度はゆっくり訪問しますね・・・
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