3月に日本列島各地で容赦なく吹き荒れた温泉施設廃業・休業の嵐ですが、新潟県も例外ではありませんでした。

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最終日に慌てて訪問したのは上越市名立区の「花立温泉ろばた館」です。私はこれが最初で最後の訪問でした。
しかも、情けないことに県外の方から閉館すると教えてもらったという・・・私は今まで何をやっていたのでしょう。

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交通量の多い海岸部の国道8号から約10kmも内陸部に入った山間地にあり、人里離れた静かな佇まいでした。

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閉館の主な理由は設備の老朽化だそうです。ただし、貸館としては4月以降も存続し、会議室等の利用は可能です。

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建物の中は思っていた以上に広々していました。休憩コーナーにはぬいぐるみがたくさん。ほのぼのとしますね。

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なお、通常の浴室とは別に、福祉浴室「いたわりの湯」もあるそうです。こういったことも当日初めて知りました。

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では、通常の浴室に向かうとしましょう。開館時間を待って入館したことが功を奏し、一番乗りで独占状態でした。

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脱衣所には鍵付きのロッカーがあり、ありがたかったのですが、かなり傷んでおり、くたびれた感じは否めません。
でも、地元の人々に大切にされてきた温泉なんだろうなあってことは、何となくわかるような気がしました。

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浴室はまさにシンプルイズベストですねえ。内湯のみですが、窓が大きく、外の景色を楽しみながら入浴できます。

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床も壁も浴槽もタイルがふんだんに使用されています。こういう点も、ついうれしくなってしまうものです。

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洗い場も清潔そのもの。老朽化は確実に進んだとしても、手入れはしっかりされていて気持ちがいいですね。

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湯は常時ドカドカと投入されていますが、残念ながら循環。でも、オープンアタックの効果で、鮮度はいいはず。

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湯に関して1つ気になることが。脱衣所には源泉名「花立温泉」の分析書の他に、「いわお温泉」の分析書が。
これは2種類の源泉を使用しているということなのでしょうか。有識者の皆様、どうか真相を教えてください。

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でもね、泉質がどうとか、湯の使い方がどうとか、常連さんにとってはどうでもいいことなのかもしれません。
館内に飾られていたこの絵が、ここが常連さんにとって大切な場であったことを雄弁に物語っていたからです。

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最終日の訪問になってしまったこと。でも何とか間に合って、しばらく独占で入浴できたこと。感謝の一湯でした・・・