令和7年3月で閉館した温泉施設の中で、私にとって最もダメージが大きかったのは「白根温泉関根旅館」でした。

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白根温泉関根旅館は、新潟市南区ののどかな田園地帯にありました。この黄色のよく目立つ看板が印象的ですよね。
自宅から近いことから「いつでも行ける」という余計な意識が働き、頻繁に行くということはありませんでした。

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閉館を知り、慌てて出かけたのは3月16日(日)だったのですが、現地で衝撃的な事実が。まさかの臨時休業!

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遠方から惜別入浴を計画していた方は面食らったと思います。SNS上にもほとんど情報がありませんでした。

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その後、営業再開を確認して再訪。「営業中」の看板が出ていて思わず安堵しました。間に合ってよかった~、と。

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外観は純和風の温泉旅館。伝統を感じさせる堂々とした構えです。一度でいいから宿泊してみたかったですね。

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敷地内には鳥居があり、神社らしき建物もありました。これが最後の訪問になるので、入浴前にお参りしました。

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こちらは源泉小屋でしょうか。掘削動力の井戸だそうですから、閉館後は動力を止めてしまうのでしょうね。

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では、外側の見学はこれぐらいにして浴室に向かいましょう。日帰りの場合は、こちらの通用口から入ります。

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入浴料金は600円。源泉の温度が約15℃と低いため加温が必須なのですが、燃料代高騰の中、頑張っています。
新潟弁による歓迎のメッセージが何ともほのぼのとしていますよね。店主様のお人柄がよく表れていると思います。

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通用口の右側には、日帰り客のための無料休憩所が。何だか田舎の実家に帰省したかのような感覚に陥ります。

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休憩所には、立派な凧が展示してありました。新潟市南区の旧白根市は大凧合戦が伝統行事として有名なんです。

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通用口から母屋側へ入り、「ごめんくださーい」と声をかけると、間髪入れずに「はーい」という優しい声が。
行ったことがある人はよくお分かりだと思いますが、ここの女将さんは穏やかで本当にいい人なんですよ。

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建物は古くても館内がピカピカなのも、きっと女将さんの心がけなのでしょうね。これも女将さん自作でしょうか。
白根温泉の特徴は、何といっても見た目にも美しいこのほうじ茶のような色。県内でも屈指の濃厚な源泉です。

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これが本当に最後の入浴なんだな・・・私は意を決して脱衣所へ入りました。「天下之名湯」を全身に覚えさせたい。
きっと忘れないなんて誓ってみても、結局いつか忘れてしまうこと、痛いくらいよくわかっているのにね・・・(続く)