春になったら実行したいと思っていたことがたくさんあった私。先日ようやくそのうちの1つにトライしました。

pole1

やってきたのはのどかな風景の広がる丘陵地帯の水田の一角。そこには柱らしきものがポツンと立っていました。

pole2

まっすぐに聳え立つその姿は、まるでトーテムポールのようです。あるいは、体育祭の棒倒しのようにも見えます。
しかし、気になるのは、そのポールの先端から、気泡を伴って液体が常時だらだらと流れ出していることです。

pole3

そのため、ポールの基部の周辺は一面水浸しになってしまっています。これは一体、どういうことなのでしょう?
これはおそらく異様に長いケーシング管ということなのかもしれません。こんなに長いものは見たことないです。

pole4

しばらくの間観察を続けたところ、何と地面からもボコボコと気泡が断続的に発生していることがわかりました。

pole5

温度を測定してみると、17.4℃と温泉法の規定には到達しませんでしたが、成分的にはこれは温泉なんです。
というのも、舐めてみると結構塩辛いんですよ。また、ほんのりアブラ臭もしました。抜群の泉質だったのです。

pole6

という訳で、早速たらいを張り切ってセットしたはいいものの、どうやってたらいに湯を溜めたらいいのだろう?
手桶で地道に汲み続けることや、灯油用ポンプでひたすらポンプアップすることも考えてはみたのですが・・・

pole7

しかし、軽い気持ちでポールの基部の塩ビ管をいじったところ、いきなりパイプが外れてバズーカのごとく発砲!
まるで不思議な手品のように一瞬でたらいが満タンになったのでした。おかげで私も全身ずぶ濡れ状態に(笑)

pole9

予想外のハプニングに驚いてしまい、慌てて塩ビ管を一旦元の状態にリセット。気を取り直して観察開始です。
源泉は美しい色付きがあります。春の日差しが降り注いで金色のようにも見えます。とても眩しい光景でした。
なお、長年ケーシング管の中に溜まっていたであろう湯花や、硬化した析出物の破片が多数混入しています。

pole8

再度、塩ビ管をそっと外してみると、時間の経過とともに、源泉のバズーカの勢いは徐々に衰えていきました。
それでも結構な量の湯が常時パイプから出続けています。動力なしでこの湧出量はなかなか立派だと思います。

pole10

一度湯を捨て、たらいを湯口に近づけて湯を溜めなおそうとも思いましたが、面倒くさかったのでそれは中止。
代わりに持参した塩ビパイプを湯口に装着し、その湯の勢いで換水することにしました。うん、いいんじゃない?

pole11

それにしても、これだけ湯量が豊富なら、いくらでも有効活用できそうなのに、なぜ未利用のままなのでしょう。
温度が低過ぎて燃料代がバカにならないのと、濃厚な成分で機器が傷みやすい、といったことがネックなのかな。

pole12

この日は結構気温が上がり、汗ばむ陽気だったので、ここで入れば気持ちいいに違いありません。さあ迷わずに・・・

pole14

いや~、これは最高ですね。舐めてもよし、クンクンしてもよし。つるつるの浴感も大いに気に入りました。
調子に乗って寛いでいたら地元の男性が軽トラで到着。「入るなら一言断ってね」と笑顔で言われてしまいまして・・・