ドライブ中、たまたま視界に入った小川が気になって、わざわざUターンして軽く調査してみることにしました。

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これがその小川です。何の変哲もないように見えます。しかし、私は何かありそうだという予感がしたのです。
真夏になれば草藪に覆われそうな雰囲気なので、調査するなら今がチャンスだと自分に言い聞かせ川へ入りました。

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足を滑らせないように慎重に前進。あれ?この辺り、石が赤く変色しているようだけど・・・あっ、何だあれは!?

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黒いホースからドバドバと何やら出ているではありませんか。これは事前に知らなかったので本当に驚きました。

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もちろん、単なる水なんかではありません。温度を測ってみたら38.9℃もあったのです。つまり温泉なんです。
しかし、私にはある疑惑が浮上しました。「もしかしたら、これは廃湯かもしれない・・・」
そう思ったのはなぜかと言うと、このすぐ近くに温泉施設があり、ホースはそちらから伸びてきているからです。

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ひとまず判断は保留し、気持ちを切り替えて調査を続行。すると、またまたホースが出現したではありませんか!
先ほどのホースは右岸にあるの対し、こちらのホースは反対の左岸にあります。もしかしたらこれも温泉なの?

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案の定、温度を測ってみると33.8℃の温泉でした。これはきっと先ほどの温泉とは別物なのでしょう。
さて、どうしたものか。今回は下見ということにし、しっかり調べてからまた後日出直そうか、とも思いました。
これが未利用の温泉だとは確信できない状況でたらいで入っても楽しめないし、と珍しく後ろ向きの気持ちに。

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でもね、入らなくて後悔するくらいだったら入って後悔したい。廃湯に入ったからと言って死ぬ訳でもあるまいし。
それに、ここは人里離れた場所なので汚れた温水をそのまま川に放流するとは考えにくいし、とプラス思考に転換。
こうなったら日が暮れる前にとっとと片づけてしまおう。私は大急ぎで車に戻り、たらいを持ってきたのでした。

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さあ、持参した塩ビパイプを現場のホースに装着して、早速源泉の投入開始です。うんうん、なかなかいい感じです。

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湯にはわずかに色付きがあります。石けん由来の泡や髪の毛等の異物の混入は一切ありません。未利用であってくれ!

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たらいが満タンになりました。急流の小川の川底に置いたにしてはたらいが水平ですし、入り心地はよさそうです。

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入ってしまえばなかなか快適ではありませんか。せっかくなので、ちょっとのんびりしていくことにしましょう。

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お次は右岸のホースです。裸のままたらいを抱えて下流へ移動。ホースを無理やり起こして塩ビパイプを繋ぎます。

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こちらは湯量が豊富なのであっという間にたらいが満タンに。ここではたらいがやや傾いていますがドンマイです。
この湯も汚れているようには見えませんでした。疑問は残ったままですが、これを受け入れようと思います。

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という訳でこちらも入浴達成。この時の私は、入浴前と違い、心が穏やかで満ち足りた気持ちになっていました。
ちなみに、タイトルに用いた「ネガティブ・ケイパビリティ」とは、
・不確実性や不快感、疑問、矛盾、そして答えの出ない状況に耐え、受け入れる能力
・焦燥感や不安に駆られることなく、落ち着いて状況を観察し、思考を深めることを可能にする能力
という意味があります。ええ、最近耳にした聞きなれない専門用語をちょっと使ってみたかっただけです・・・