かなり昔にドライブした際に見かけた光景がずっと心のどこかに引っかかっていた私。思い切って再訪してみました。

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現場に到着。明るくのどかな田園風景が広がっています。そこには温室があるのですが、その脇に見逃せないものが。

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プシュッという音とともに周囲に水をまき散らしているこの物体。水溜まりには大量の藻が発生しています。
そうなんです。実はこれ、温泉の井戸なんです。事前の調査によると、農業用の温泉井戸だということです。

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農業に温泉水を用いるのは決して珍しいことではなく、全国各地の農村でさまざまな取り組みが行われています。
例えば、高温の温泉であれば温室の暖房の熱源に、低温の温泉であれば種籾の芽出しに、といった具合です。
しかし、この源泉井戸に隣接している温室内は荒れ果てていました。まさに耕作放棄地と呼べる状況だったのです。

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どんな事情があったのかはわかりませんが、源泉が健在なのであれば、私なりに有効利用させてもらいましょう。
ということで、ローラー作戦による現地調査を開始。すると、まずは円柱状の源泉槽らしき物体を見つけました。

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となると、出口はどこだ!?耳を澄ませると、用水路の枯草に覆われた所から、水が注ぐ音が聞こえてきます。

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どれどれと枯草を除けると・・・あっ、やっぱりね。源泉槽の方向から伸びてくる塩ビパイプから水が出ていました。

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温度を測定すると28.0℃とやや低めではありましたが、間違いなくこれは温泉であることがわかりました。

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となれば、たらいで入ってみましょう。源泉パイプの位置が低いため、持参したパイプを繋ぐのは不可能でした。

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という訳でバケツを採用したのですが、驚いたことに湯がかなり赤茶けているではありませんか。鉄分でしょうか?

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たらいが満タンになったはいいものの、私はちょっと考えてしまいました。たらいが傾いているのはドンマイです。
私が気になったのはこの色です。明るくきれいな色にも見えるのですが、毒々しくて少し不気味ではありませんか?

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珍しく入浴をためらっていると、見る見るうちに湯の成分がたらいの底に沈殿してしまいました。まあ何でもいいや。

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うん、開放感があってなかなか楽しい湯浴みではありませんか。湯もきっと成分が濃厚なのでしょうし。
その後、皮膚がかぶれるということはありませんでしたので、体に悪い水に浸かったということではなさそうです。
すぐ側では農作業をしていらっしゃる方がちらちらこちらを見ています。でも、すぐには帰れないのです・・・(続く)