何年か前に廃業したという一軒宿の源泉が今どうなっているのか気になったので、調査してみることにしました。

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藪をかき分けながら慎重に前進していくと、前方に何やら怪しげな物体が見えてきました。近づいてみましょう。

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これはどうやら源泉井戸で間違いなさそうですね。ガス抜き用と思われる縦方向のパイプからは高温の蒸気が。
事前に調べたところ、旅館の廃業後も自家用として源泉利用は継続しているようですので、現役の井戸になります。

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驚いたのは、井戸の周囲の地面が赤茶色に染まっていることです。これは大量の湯が漏れ出しているのでしょうか。

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いや、井戸から漏れ出す分もあるのかもしれませんが、私が見る限り、地面からじわじわと湧き出しているようです。

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温度を測定してみると、温度計は40.6℃を示しました。温めではありますが、これは立派な天然温泉です。

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湧き出した湯は、すぐ側を流れる河川に向かって流れ落ちていきます。降下は可能ですので、下りてみましょう。

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これは凄い。立派な析出物の台地ができあがっているではありませんか。一体、何年経ってこうなったのでしょう。

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さらに驚いたことに、上部から流れてきた湯が溜まっただけに見える窪地でも気泡が立っているではありませんか。

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ただし、泉温は26.8℃と低い状態でした。湧出量が極小なため、低下してしまうということなのでしょう。

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さらに観察を続けると湯が至る所で湧いていることがわかりました。ここでは岩石の割れ目から無数の気泡が発生。

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こちらでも気泡を伴って、湯がコンコンと湧き出しています。しかし、どの地点も湧出量が少ないのが残念でした。

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入浴するにはどこがいいだろう?周囲を見渡して私がチョイスしたのはこの場所です。かなり浅そうですけど。

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温度も28.9℃しかなく、物足りないのは否めません。でも、他に適当な場所がないので、ここで妥協しました。

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う~ん、快適とは言い難いけれど、なかなかワイルドなシチュエーションだけに、ワクワクが止まりませんでしたね。

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なお、私がバチャバチャ遊んだせいで、湯が真っ赤に変化。川に赤いインクを流したみたいで、ちょっと罪悪感です。

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こんな場所なので人がやってくることはまずありません。渓流を眺めながら、湯遊びを満喫することができました。
もっとも、こういう一人遊びを覚えてしまうと、ますます社会で孤立してしまう可能性がある気がしますけどね・・・