ごく平凡な職業に就いている私は、職住近接な毎日を送っていて、県外へ出張する機会などめったにありません。
ところが先日、東京へ1泊2日の出張で出かけることになり、そのついでにある温泉の惜別入浴を企てました。

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渋谷から東急東横線に乗車し、神奈川県に入って最初の駅:新丸子で下車。線路沿いにてくてく歩いていくと・・・
あっ、あの建物かな?住宅街に埋没するような立地で、こんなところに温泉があるとは不思議な気がしました。

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夜の帳が下りた町に浮かび上がるちょっと怪しげな温泉マークのネオン。必然的に吸い寄せられてしまいます。

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建物の正面に回り込むと、何とも風情のある佇まいで私を出迎えてくれたのは、川崎市の「丸子温泉」です。

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東京の大田区と同様、この界隈も天然温泉(鉱泉)を利用した温泉が結構あるんですね。なかなか侮れません。

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その「丸子温泉」ですが、6月30日をもって閉店してしまいます。理由はやはり建物の老朽化でしょうか。

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「丸子温泉」は天然鉱泉を利用した銭湯であり、神奈川県共通の料金が適用されます。大人は550円でした。

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暖簾をくぐると昔ながらの番台があり、比較的若い女性が座っていました。このスタイル、今は珍しいですよね。
脱衣所からはガラス越しに浴室の全体がよく見え、洗い場を抜けた奥に湯船があるという、定番のスタイルです。

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うわ~、湯が真っ黒です。これはテンションが上がりますねえ。結構熱めな設定で俄然私はうれしくなりました。

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また、水道水を沸かしたジャグジー風呂もありました。もっとも、私はこちらの湯船には入りませんでしたけど。

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天然鉱泉の湯船は、湯の投入方法も豪快。もちろんこれは循環湯のはずですが、粋な演出がたまりませんよね。

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天然鉱泉の湯船には仕切りがあり、その仕切り上に蛇口があります。向かって左は常時、右は開栓時のみ源泉を投入。
よって、左側が温め、右側が熱めになるという仕組みです。多くのお客さんは右側は熱いと悲鳴を上げていました。

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湯船の壁面にはシンプルな分析表を掲示。臭いこそありませんが、その美しい色にうっとりしてしまう名湯です。

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ケロリン桶に湯を入れると・・・ケロリンの文字が全く見えません!相当濃厚な温泉であることがわかると思います。
しばらく熱い湯を楽しんだ後、桶に冷たい源泉を溜めて頭からかぶる・・・これを何度も繰り返してしまいました。

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自分は都会暮らしは向いていないと自覚していますが、こんな銭湯が身近にあれば結構楽しいのかもしれません。
とにかく、閉店間際に滑り込みで入ることができ、出張に感謝です。てか、むしろこっちがメインだったりして!?
ちなみに出張は無事終わりましたが、あまりの人の多さに辟易し、逃げ帰るかのように新幹線に乗りました・・・