新潟県の阿賀野市に、「優婆尊御霊水」という湧き水スポットがあります。市のホームページでも紹介されています。

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まだ学生の頃、名水巡りで訪問したことがあったのですが、それ以来その存在をすっかり忘れてしまっていた私。
今回、久しぶりに訪問してみることに。あっ、ここですね。その佇まいは昔と全然変わっていないようでした。

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現地には立派な石碑が建立されています。霊験あらたかな地であることは明らかで、信仰の対象になっています。

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その石碑の脇の東屋に、御霊水がコンコンと湧いています。石の流し台にそのまま静かに垂れ流されていました。

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御霊水は14.8℃で真夏であれば冷たいと感じる温度です。そうなら、当然すくって飲んでみたくなりますよね。

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ところがこの水は行政機関によって「飲用不可」とされているのです。名水なのに飲めないというのはどうなの?

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私は優婆尊像を見つめました。その前にコップがいくつか置かれています。自己責任で飲む人がいるのでしょう。
しかし、私がもっと気になったのは、右側の塩ビパイプやエルボです。これらが置かれているということは・・・

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そう、これはたらいに御霊水を溜める時に使え、ということだと解釈しました。事実、ちょうどよかったのです。

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長さも高さも、流し台の前にたらいを置いて御霊水を注ぐのにぴったり。これは偶然とは思えませんでした。

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おお、涼しげでなかなかいい光景ですねえ。夏場にスイカや飲み物を冷やすのにいいかもしれませんよね。

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なお、エルボの先に異径ソケットが付いているのですが、これはポリタンクに注ぎやすくするためでしょうか。

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たらいから御霊水がこぼれ始めましたが、どうしたものか。私は自分に言い聞かせました。「やっちゃえオッサン!」

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あ~、冷たくてたまらない。でもね、やはり何でも入ればいいってもんじゃないって怒られてしまいそうです。
しかし、阿賀野市のホームページには、この御霊水について、次のような実に興味深い記述があるんですよ。

「古くは『優婆の湯』と言われていた」
「大正期木造2階建の湯治場があり、地元住民や優婆尊参拝者に利用されていた」

何と、これは由緒正しい冷泉だったという訳です。浴用不可ではないのなら、入っても問題ないということで・・・