新潟県を代表する温泉地の1つである月岡温泉に、ちょっと異端児のようなホテルがあるのでご紹介しましょう。

furinya1

それがこちらの「風鈴屋」です。なかなか大きくて立派な施設です。駐車場も広大で、日帰りでの利用も可能です。
入浴料は1,000円とちょっとお高めですが、マイタオルを持参すれば800円で入ることができます。

furinya2

中に入ると、内装がきれいでおしゃれな点が気に入りました。風鈴が所々に飾られていて、趣のある空間です。

furinya3

また、こんな展示コーナーもありました。昭和生まれの私にはたまらないお宝がずらりで見応えがありますね。

furinya4

特にこの「サトちゃんムーバー」は単なるオブジェではなく、絶賛稼働中とのこと。50円で動くのだそうです。

furinya5

さあ、浴室へ向かいましょう。この看板も、シンプルですが、なかなかいいセンスをしていると思いませんか。
看板には「風鈴屋源泉 風の音・鈴の音」と書かれています。この風鈴屋源泉が以前から気になっていました。

furinya7

実はこの風鈴屋、月岡温泉街に位置していながら温泉ではなく沸かし湯による営業という、異色の存在でした。
それが、平成31(2019)年から自家源泉に切り替わったのです。自家源泉という所が重要なポイントです。

furinya6

さて、どんなお湯なんだろう。期待を胸に暖簾をくぐります。男湯は「風の音」、女湯は「鈴の音」というようです。

furinya8

大浴場(内湯)は清潔感があって広々。空いていたこともあり、静かで落ち着いた湯浴みを満喫できました。

furinya9

大浴場の窓から空を見上げると・・・あらら。ちょっと廃墟感のある古ぼけた看板が見えてしまっています。
実はこの建物、かつては「月岡ニューホテル冠月」という施設だったのです。見事に生まれ変わりましたね。
玄関から浴場までの動線で目にする光景は上手にリフォームされていて、古さを感じることはありませんでした。

furinya10

大浴場の奥には露天風呂があります。やや小ぢんまりとしていて景色も望めませんが、私はこれが楽しみでした。

furinya11

というのも、露天風呂には非加熱の源泉がそのまま投入されているのですよ。つまり生源泉を味わえるのです。

furinya12

一般に月岡温泉と言えば、高温で苦く、アブラ臭と硫黄臭が混じったような香りがする、美しい緑色の湯ですよね。
ところがどっこい、この風鈴屋源泉は16.5℃の冷鉱泉で、無色透明なんです。まさに異端児だと思います。

furinya13

しかも面白いことに、露天風呂の湯船の中に加温装置が無造作に置かれているではありせんか。なかなか大胆です。
もっとも、自家源泉の使用が開始されて間もない頃は、加熱した源泉を竹筒から投入していたようなんですけどね。

furinya14

月岡なのにエメラルドグリーンの湯を楽しめない・・・と残念がる人もいるかもしれませんが、これはこれでありです。
1つの温泉地で泉質の異なる湯を楽しめるというのは断然強みになります。風鈴屋さん、頑張ってくださいね・・・