いわゆる「センター系」の温泉というのは、清潔感はあるかもしれないけど風情に欠ける、という印象があります。
また、お湯の使い方についても、循環・ろ過装置使用、薬剤投入、加温・加水は当然で、残念に思うことが多いです。

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そのため私はセンター系温泉をいつしか敬遠するようになっていたのですが、今回、久しぶりに訪問することに。
やって来たのは、新潟県五泉市郊外にある「村松さくらんど温泉」です。多分、学生時代以来の再訪になります。

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かなりブランクがあったので、どんな建物だったかさえもよく覚えていませんでした。新鮮な気持ちで入館します。

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入館料は700円です。まず目に飛び込んできたのは充実した物販コーナー。地域の特産品を並べています。
特に衣類が多いのは新潟県内の温泉施設では珍しいかも。実は五泉市は全国有数のニット製品の産地なんです。

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浴室は、眺めの異なる「さくらの湯」と「黄金の湯」の2つがあり、月の初めに男女が入れ替わるそうです。
私が訪問した日は、向かって左側の「さくらの湯」が男湯になっていました。幸いにも空いているようです。

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浴室は広々。湯船が大きく、外側の壁面が全面ガラス張りで眺望も抜群。美しい山並みを眺めることができます。
ただし、ジャグジーが絶賛稼働中でいかにもセンター系の湯船。ここに私が長く浸かることはありませんでした。

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露天風呂は野趣に富んだ岩風呂でなかなかいい感じです。庭園の木々も手入れがよく行き届いていて美しいです。

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ただ、私が訪問した日は猛暑日で、強い西日が容赦なく当たるため、ここにも長居することはありませんでした。

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実は私が一番楽しみにしていた湯船は別にあるのです。それがこちらの「源泉の湯」。湯の色が他と全く違います。

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この施設で使用されている源泉は「村松さくらんど温泉」で、泉質はナトリウムー塩化物温泉に該当します。
濃厚な温泉であり、本来はかなりの実力の持ち主なのですが、「大浴槽」の湯船ではそれが完全に飛んでいます。

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しかし、この「源泉の湯」は、加水なし・加温なし・循環ろ過装置の使用なし!センター系の優等生なんです。
ただし、塩素系薬剤の投入は行われているのでパーフェクトではないのが残念ですが、これは仕方ありません。

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源泉はこの湯口から常時投入されます。舐めてみると塩辛く、源泉の風味を存分に感じることができました。

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湯が濃厚であることは、この注意書きからも読み取ることができますよね。飲泉ができないのは残念ですけど。
なお、「さわがないでください」・「浴室等で騒ぐ」といった、漢字・ひらがな表記の混在はご愛嬌ということで。

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源泉が濃厚であるがためにメンテナンスには苦労しているようです。温泉マニアとしては、頭が下がる思いです。

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なお、サウナもありますので、サウナ好きの方にもお勧めです。私はこの水風呂が気持ちよくて気に入りました。

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基本的に熱い湯が好きな私ですが、猛暑の日に温めの濃厚な源泉風呂に長く浸かるのもやっぱりたまりませんね。
センター系だからと毛嫌いするのではなく、いいところを探しながら楽しむことが大切なんだと思いました・・・