新潟県北部の関川村に、難読地名の温泉地があります。漢字では「雲母温泉」と書くのですが、皆様読めますか?

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正解は「きらおんせん」・・・初見ではなかなか難しいですよね。その雲母温泉にある「寿荘」を紹介しましょう。
他の温泉旅館からは少し離れた高台に位置しているため、一軒宿であるかのような雰囲気が漂っています。

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玄関を背にして振り返ると、関川村の素朴で美しい風景が一望できます。この風景だけでも見る価値があります。

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声をかけると、奥から気立てのよさそうな女将さんが出てきました。日帰り入浴をお願いすると快諾でした。
入浴料は500円と良心的です。浴室は2階の奥にあるとのことで、館内を見学しながら浴室に向かいました。

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浴室前には、なかなか趣のある木製の掲示板がいくつかありました。「天衣無縫 我汲山水」とはどういう意味?
しかし、その下に「源泉九十五度につき」と、私が敏感に反応せざるを得ないこともしれっと書かれています。

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この簡易泉質掲示板も摩訶不思議な形状でユニークですよね。「ナトリウムー塩化物・硫酸塩泉」とのことです。

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温泉の利用に関する情報も木製看板に記載されていました。加水はやむを得ませんが、湯の使い方は良好です。

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洗面化粧台は脱衣所の外にあり、男女共用となっていました。マッサージ機もありますが、これは無料なのかな?

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笑ってしまったのはこの卓球台です。廊下の壁と壁の間にギリギリ設置。なかなかプレーしにくそうです(笑)

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いざ浴室へ、と扉を開くと、温泉マニアが思わず「うわ~」と声を上げてしまいそうな光景が広がっていました。
そう、湯船が浴室の中央にあるのです。これは西日本ではよく見られるのですが、新潟県ではかなり珍しいです。

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そして、湯は浴槽の底の穴から投入。これも新潟県では珍しいかもしれません。浴槽のタイルもいい感じです。

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湯は常に浴槽の縁からオーバーフローしています。これはダイブしたら大洪水が発生すること間違いなしです。

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使用される源泉は「雲母2号(金子)」。はて、金子とは?なお、この源泉を使用するのは寿荘が唯一の存在です。

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残念ながら、浴室は山側に面しているので、あの雄大な風景を眺めることはできませんが、庭園の景色もなかなか。
穴場のようで、近くにある道の駅の日帰り温泉が大混雑しているのに、ここは空いていて本当に静かでした。

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おかげさまで一人静かに湯浴みを満喫することができました。湯は思ったほど熱くなく、誰でも難なく入れます。
関川村では、温泉旅館の廃業が相次いでいます。いろいろと大変だと思いますが、どうか続けてくださいね・・・