垂れ流しの温泉探しをするのなら、雑草が蔓延るシーズンを避けるのが賢明であることは言うまでもありません。

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さて、私が以前から入ってみたいと狙いを定めていた温泉のある場所にやって来ました。ここに間違いありません。
しかし、事前の下調べの時にストリートビューで見た光景とはかなり様子が違っています。近づいてみましょう。

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この地方のことばで「おがった」状態の夏草にまるで飲み込まれるかのように、ブルーの物体が存在しています。
好き放題に伸びきった夏草でカムフラージュして、迷彩服を着た兵士のようにじっと息を潜めているようでした。

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しかし、このコンテナ風の青い物体こそ、私が探していた温泉なのです。ほら、ボックスの基部を見てください。
凄い勢いで温泉が垂れ流されているのです。温泉は地面に埋め込まれた塩ビパイプにそのまま入り、捨てられます。

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湯の温度は26.8℃と温泉法の定義を満たすもののかなり低め。それが理由で放棄されてしまったのでしょうか。

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ならば私がたらいで入ってあげましょう。早速、車からたらいを下ろして源泉ボックスの前に置いてみると・・・ほう。
源泉ボックスとたらいのブルーがシンクロしていて、なかなかどうして微笑ましい光景に、少しほっこりしました。

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そして、持参した塩ビパイプ&エルボのセットを現場のパイプに装着。サイズはジャストで漏れは一滴もありません。

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さあ、いい感じで湯の投入が始まりましたよ。湯量は豊富なので、これなら程なく満タンになることでしょう。

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現場の源泉受けパイプがちょうど台座の役目を果たしてくれるおかげで、マイ塩ビパイプはグラつくことなく安定。

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そのため私は手でパイプを押さえ続けることもなく、ドバドバと湯が注がれる光景を恍惚な境地で見守りました。

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たらいから湯がこぼれ始めました。どうやら単純温泉のようで、ほぼ無色透明無味無臭。でも、鮮度は抜群です。

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まるで小瀑布のように溢れ出す源泉。ちなみにこの場所は道路に面しており、そこそこ車も通過するのですが・・・

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なるべく自分の車で目隠しをした上で入浴。低温ですが湧きたてのピュアな源泉に、心はポカポカになりました。
ところで、「out of the blue」は直訳すれば「青の中から」ですが、「思いがけず、予期せず、突然」という意味です。
道端の青い物体の中から出てくるのが正真正銘の温泉ならば、マニアが突然こんな行動を取っても許されるかな・・・