子どもの頃にもっと本を読んでおけば・・・と、歳を取った今、ふと思うことがあります。読書って大事ですよね。

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さて、とある海辺の町にやって来た私は、こんな場所に辿り着きました。すぐ側では建設工事が行われています。

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音を立てる程ではありませんが、側溝に大量の水が流れていました。手を浸してみると、温いではありませんか。

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工事関係者が駐車場として利用している空き地の一角に、大小2つのコンクリート製の直方体が鎮座しています。
向かって左側の大きな直方体の側面からは塩ビパイプが突き出しており、それが側溝に続いているように見えます。
実はこれ、源泉井戸なんだそうです。ちょうどその近くにおられた地元の方に確認しましたので、間違いないです。
側溝の温水は、この大小の物体から流れ出しているに違いありません。私にはこれが「つづら」に見えてきました。

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温泉が出てくる大きなつづらと小さなつづら。『舌切り雀』を思い出した私は、控えめに(?)小さい方を選択。
そう、こういう場合は小を選んだ方がいいことがありそうですから。コンクリートブロックの蓋を開けてみます。

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あっ、極細のパイプから温泉が出ている!もう少し勢いが欲しいものの、私にはうれしくなってしまう光景でした。

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温度は33.5℃とまずまずの結果でした。近所の方は自宅に引いていると言っていましたが、加温が必要ですね。

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側溝には、なおも大量の湯が流れているので、やはり私は大きなつづらも気になってしまいました。(←ダメじゃん)
しかし、コンクリートブロックが目詰まりしていて、結局私の非力な腕では持ち上げることができませんでした。

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ちなみに、小さなつづらの前で、大きなつづらの方から流れてくる湯の温度を測定してみると、33.0℃でした。
泉質に差はないと思われるので、それならわずかにでも温度が高い小さいつづらを選んで正解、ということでしょう。

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という訳で、私は小さなつづらの前にたらいをセット。謙虚に(?)湯の投入作業を開始することにしたのでした。

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手持ちの短いホースを源泉パイプに突っ込んでみましたが、隙間ができて湯漏れが生じるのでタオルを巻いて調節。

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すると、無事ホースから湯が出始めました。これは本当にうれしかったですね。しかし、勢いがなさ過ぎます。

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この後のスケジュールにも影響しそうでしたので、ここは時短を狙って、側溝の湯も手桶で汲んで投入することに。

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地道な作業の末、ようやくたらいが湯で満たされました。太陽光の影響かもしれませんが、黄色味がかって見えます。
近所の方にもたらいで入ることをお知らせして承諾を得たし、さあ、のんびり浸かりますか・・・と思ったその時です。

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工事関係車両がやって来てしまいました。当然私は退避。その場に置いてきてしまったたらいがもう心配で心配で。
ギリギリ通行の邪魔にはならないと思うのですが、工事関係者の方々にたらいを撤去されてしまったらどうしよう?

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大型トレーラーが去ったそのタイミングを見計らって、どうにかこうにか入浴に成功。スリリングなひと時でした。
湯を味わう余裕はありませんでしたが、『舌切り雀』の爺様のように、温泉というご褒美を享受できたのでした・・・