まずはその野湯へ通じる林道の入口を探すのに苦労しました。
目指す野湯は地図に普通に載っていますから、てっきり林道の入口も簡単に見つかると思っていたのです。

この辺のはずなんだけどな~と何度も行ったり来たりしながら、目標物を探していると・・・

ほとんど文字が消え、ツルツルでのっぺらぼう状態の道標を発見。
思わず、「え、これかよ!?」ってつぶやいてしまいました。
しかし、当初ここが入口だと確信が持てなかったもう1つの理由がありました。それは・・・

金属製の立入禁止ロープ!中央部分でがっちりロックされています。
事前の情報では林道終点まで車で入っていけるとのことだったので、ここは違うって思ってしまったのです。
しかし、よくよく地図で確認すると、林道入口はここだとしか考えられません。
車は諦めるとしても、歩いていくかどうか・・・私は判断を迫られました。(←てか、歩行者も通行禁止では!?)

掲示によると、間伐作業中なので立入り禁止なのだとか。でも、今日は日曜日。その気配はありません。
なので、もし誰かに見つかって怒られたらすごすご退散することにして、行ける所まで行ってみようと決心。
かなりの距離を歩くことを覚悟してスタートしました。
しかし、どこまでも続く坂道・・・何度心が折れそうになったことか。もう嫌だ、引き返そうなんて思っていたら・・・

突然目の前が開け、こんな山奥に不似合いな人工物が出現。実はこれこそが目標物でした。
しかし、ここで車に乗った作業員風の人に遭遇!これは絶体絶命のピンチ・・・と覚悟を決めたのですが、
「へ?下から歩いてきたの?よくやるね~、ごくろうさん」
これには思わずずっこけそうになりました(笑)
登山目的での徒歩での通行は暗黙の了解で大目に見てくれているのかな、なんて思いました。

さて、難局をどうにかこうにか乗り切った私は元気を取り戻し、いよいよ登山道の入口に立ちました。
あと30分程度の歩きでターゲットの野湯に到着するはずです。

一本道の登山コースでもう迷うはずもないのですが、ここは周囲を凝視しながら慎重に前進。

途中から道は湿地帯を横切ります。案の定、靴がぬかるみにはまってしまいました。
この湿地帯を抜けると見えてきたのが・・・

うわ~、目指していた野湯だ!

これは凄い。メインの湯船の他に、まだいくつか小さな湯船があり、脇を源泉の川がザアザアと流れています。

メインの湯船は33.6℃とかなりの温湯。汗を流してクールダウンするにはうってつけですね。

いや~、これは気持ちいい。苦労して辿り着いた甲斐がありました。

一段上のこちらの湯船は底から源泉が湧いていて、メインの湯船よりも温度が高め。
極上の足下湧出風呂を満喫いたしました。
少し前までは林道終点まで車でアプローチできたのに、今は林道入口から徒歩でしか来れない遥かな野湯。
(南側のアスピーテラインからも到達できますが、こちらもかなり歩くはずです)
このまま訪れる人が減っていって、草に埋もれゆく運命にあるのでしょうか・・・
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