和倉温泉での楽しい一夜を過ごした翌日は、遅めのチェックアウトの後、のとじま水族館を見物。
そして来年の再会を誓い、解散となりました。
すでに夕暮れが迫る時刻になっていたこともあり、真っ直ぐ新潟に向かうつもりだったのですが・・・
海辺の国道を走行中、一枚の看板が目に留まりました。(画像は一部加工しています)
源泉販売所との表記があり、分析表が掲出されています。
そして、源泉井戸とタンク、ホースが。こんな所に温泉スタンドがあるとは知りませんでした。
どうやらこの源泉井戸は自噴ではなく、動力揚湯のようです。これはそのスイッチボックスですね。
でも、販売所とはいいながら、コインの投入口はありません。どうやって購入するんだろう?
・・・と、不思議に思っていたら、年配の男性が近づいてきました。
思わず、「決して怪しい者ではありません!」とこちらから先制しそうになりましたが・・・(←十分怪しいんだけど)
「温泉が好きなの?ここは俺が道楽で掘ったんだ。なかなかいい温泉なんだよ」
と、その男性は笑顔で話しかけてきました。何と、この源泉井戸のオーナーの方だったのです。
その方はとても親切で、温泉掘削の経緯や、泉質、効能等について、詳しく説明してくださいました。
現在この温泉は数軒の民宿で利用されており、ローリー車で配達しているそうです。
とにかく気さくな方で、会話が弾みました。そして・・・
「今ポンプを動かすから、顔を洗っていきなよ。きっと気に入ってもらえると思うよ」
と、源泉を出してくれました。で、早速顔を洗わせてもらったのですが、それだけでは私の欲望は収まりません。
私は勇気を振り絞ってご主人に言いました。
「実は車にたらいを積んでいます。ぜひ、全身で入ってみたいのですが・・・」(←超ドキドキ)
するとご主人は、
「いいもの持ってるね!いいよ、どうぞ入っていって。その方がこの温泉のよさが分かってもらえると思うし」
と言い、自らたらいに湯を注いでくださったのです!こんなことは初めてなだけに、もう感激してしまいましたね。
これまでたらいで温泉に入る時はどこか後ろめたさのようなものがありましたが、今回は違います。
源泉温度は60.2℃だそうですが、その温度にするには10分以上湯を出し続けなければならないそうです。
さすがにそれは悪いので遠慮しました。たらいの湯の温度は31.1℃でしたが、真夏の今ならこれで十分です。
入浴の準備が整ったところでご主人とはお別れ。(←私の入浴には立ち会いたくないですもんね・・・)
名刺を頂戴したほか、温泉分析表、源泉を詰めたペットボトルまでお土産にいただきました。(恐縮)
温泉は弱い硫化水素臭があり、塩味がします。やはり、全身で入ってこそ、そのよさが分かると思いました。
ご主人のご厚意に甘え、国道のすぐ脇というロケーションでありながら、ゆっくり湯に浸からせていただきました。
途中、涙がこぼれそうになったのはなぜだろう・・・