少し前のことになりますが、茨城県の水戸駅からこんな列車に乗車しました。

臨時快速「リゾート奥久慈清流」号です。JR水郡線で福島県の磐城石川まで向かう列車です。

使用される車両はクルージングトレイン。普段は秋田地区で活躍している車両です。
実はこの車両、かつてはJR五能線を走行する「リゾートしからみ」に使用されていました。
新型車両の導入に伴い「リゾートしらかみ」からは引退し、現在は各地のイベント列車に充当されています。

列車はその名のとおり、清流・久慈川に沿って走ります。大きな窓からは眺望を存分に楽しむことができます。
発売と同時に指定席券が売り切れるほどの人気列車でしたが、運よく往復とも窓側の席をゲットできました。

清流と言われるだけあって、雰囲気が四国の四万十川に似ているな~と思っていたら、沈下橋を発見。
車窓には素朴な風景が展開していきます。

水戸から約2時間20分で終点の岩城石川に到着。この町に降り立つのは今回が初めてです。

当日、磐城石川駅では、この臨時列車の運行に合わせて水郡線全線開通77周年を記念するイベントを開催。
多くの人で賑わっていました。さて、せっかくですので温泉に向かいたいと思います。

周辺にはいくつかの温泉地があるのですが、地名に魅かれてここに決めました。その名も猫啼温泉。
実に興味深い名前です。そういえば、福島県には「猫魔」という地名もありますよね。

猫啼温泉にある「井筒屋」は日帰り入浴が可能。駅から歩いて行けますので列車利用の旅人にも便利です。

ちょっと変わった温泉巡りが好きな私。こういう立派な建物の正統派温泉(?)に入るのは久しぶりのことです。

脱衣所には猫啼温泉の由来を説明する看板がありました。説明を要約すると、
・女流歌人和泉式部が愛猫を置き去りにしたところ、その猫が毎日啼き続けた
・その猫が病気になった時、湧き出る泉に浸かったら数日のうちに元気になった
だそうです。動物に由来する温泉は全国各地にありますが、猫は珍しいのではないかと思います。

湯は無色透明無味無臭で特にこれといった特徴はありません。浴室は清潔感があって好印象でした。

露天風呂は吸水口が見当たらなかったので、源泉かけ流しのようです。
景色は決してよくはありませんが、気持ちよく過ごすことができました。

浴室の壁には和泉式部と戯れる猫のイラストが描かれていました。
タイルで描かれたその絵がちぎり絵のようで、「いとをかし」と思いました・・・
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