青森県のJR五能線・陸奥鶴田駅近くに、とんでもなく渋い温泉が奇跡的に残っていて営業を続けています。
 
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それがこちら。鶴田温泉「鶴の湯」です。建物はかなり古いようですが、なかなか立派な構えです。
建物前の松の木もなかなか見事ですしね。中に入ろうと、早速入口に近づいてみると・・・
 
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あれ?建物の外壁には確かに「鶴の湯」の文字があるというのに、ここからは入れないようです。
 
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あっ、あそこに浴場入口と書いてあります。しかし、「本当にここやってるの?」と思ってしまいそうな雰囲気。
初めての訪問の場合、入るのを躊躇してしまう人もきっといることでしょうね。
 
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浴場入口を反対方向から眺めてみました。こちら側にも浴場入口の文字が目立つように書かれていますが、
その文字がなければ、古ぼけたアパートか何かに見えてしまいます。さあ、今度こそ中に入ってみましょう。
 
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ここが入口。推察するに、昭和の全盛期は、地域の総合保養施設として大賑わいだったのではないでしょうか。
そんな雰囲気があちこちに漂っていました。ちなみに、受付にいた男性従業員はとても感じのいい方でした。
 
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浴室の前に到着しました。やはり昭和の渋い佇まいです。これなら脱衣所や浴室も大いに期待できそうです。
 
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おお、これは素晴らしい!まさに正統派の温泉銭湯です。こういう温泉銭湯が現役だと思うとうれしくなります。
近代的なスーパー銭湯が雨後の竹の子のように乱立する今、このような公衆浴場は絶滅危惧種と言えます。
 
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脱衣所に置かれたアイテムも実に秀逸。ここが民俗資料館だと勘違いしてしまう人もいるかもしれません。
 
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内装の古さは否めないものの、浴室は実によく手入れがなされていて汚い感じはありません。
床のタイルの変色は温泉成分によるもののはずです。大事に使われている様子が十分うかがえました。
 
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浴室の壁面にはちょっと不思議な絵画が。そこには洋風のお城のような建物が描かれています。
純和風な温泉銭湯に(ちょっとインチキっぽい)洋画。この和洋折衷は、当時としてはかなり斬新だったのでは?
 
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さて、肝心の温泉はといいますと、これまたなかなかの実力派なんです。やや黄色みがかっていて、
ほんのりとアブラ臭を放っています。この界隈って結構アブラ臭の温泉があちこちで湧いているんですね。
 
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浴室の床には、浴槽から溢れた温泉が静かに流れ去っていきます。滑りやすいので注意しましょう。
 
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湯船に飛び込むと、ザザーッと温泉が縁から溢れ出しました。建物はチープでも、とてもリッチな気分です。
平日の午後の中途半端な時間だったので、他に誰もおらず貸切。おかげでのんびり過ごせました。
 
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入浴後、改めて浴室を外から眺めてみたのですが、やはり廃墟と化した町工場の跡のようにも見えますよね・・・