いつか行きたい・・・ここ数年来の課題であり、何度も夢見た山中のパラダイスを目指す日が遂に到来しました。
この日のために登山用の靴をわざわざ購入するという気合の入りようです。

そのパラダイスへの、おそらく最短であろうコースの入口がここです。かなり分かりづらいのですが、よく見ると、
人が踏み分けた跡がかすかに読み取れるのでした。半藪漕ぎを覚悟の上、いざスタートです!

藪と格闘し、道なき獣道をしばらく進むと、探していた登山道に出ました。この道は地形図に記載があります。
これで一安心。あとはこの道に沿って前進あるのみです。所々荒れてはいましたが、アップダウンも少なく、
日頃の運動不足を解消するにはちょうどいい感じの登山道でした。黙々と歩き続けること約40分・・・

それまで木々に遮られていた前方の視界が急に開けました。その先には地肌が剥き出しになった山が!
この時の私は、エクスタシーというと大げさですが、鳥肌が立つような思いがしました。(若者の言うヤバい状態)
このちらっと見える感じが、たまりませんでしたね~

そして、斜面の下には沢が見え始めました。あの沢の上流部こそが、お目当てのパラダイスに違いありません。

実は今回、私には頼もしいバディがいました。赤REVさんです。おかげで心細くなることはありませんでした。
いよいよ全貌を見せ始めたパラダイスを前に、2人とも極度の興奮状態に。(←もしかして自分だけ?)

しかし、あまり浮かれてもいられません。そう、この先は火山ガスの噴出エリアなのです。注意書きを読み、
少々緊張したのですが、幸いこの日は適度な風が吹いていましたので、ガスの滞留の心配はなさそうでした。

気を引き締めなおして、いよいよパラダイスへの細道を降下します。一歩ずつ、例の沢が目前に迫ってきます。

遂に憧れの地に立ちました。この時の感動といったら・・・上手く表現する言葉が見つからないのが残念です。
まあ、強いて言うなら、やっぱり「ヤバい」かな。(←このボキャブラリーの貧弱状態こそがヤバいだろ!)

草木の生えない土地は普通「地獄」と呼ばれますが、なぜここがパラダイスなのか。もうお分かりですよね。
そう、この沢が、極上の温泉の川なんですよ。つまり、源泉マニアならここで昇天すること間違いなしなのです。
(ちなみに、この昇天には、ガス中毒による不慮の“昇天”という、アイロニカルな意味合いも含まれます・・・)

入浴ポイントは無数にあります。当然上流ほど高温になりますので、温度を確かめながら場所を見定めました。

ここはどうだろうと思って湯の温度を測ってみたら、44.5℃とまさに適温ではありませんか。

そして、深さも十分にあります。成分の影響で緑がかって見える湯に、日光がキラキラ反射して神秘的でした。
さあ、じっくり浸かって、山登りの疲れを癒すことにしましょう。

これは本当に素晴らしい。湯は目に入ると強烈に沁み、また口に含めばレモンのような酸っぱさがあります。
つまりなかなか刺激的な酸性の硫黄泉なのですが、そのピリピリとした浴感もたまらないものがありました。
早瀬が打たせ湯のようになっている場所もあり(上の写真の中央付近)、偶然にしてもよくできています。

なお、その打たせ湯付近には、高温の湯により“昇天”した、小さなヘビがいました。
鮮やかに茹で上がったその姿を見て、私はこう思いました。「君の死を決して無駄にはしないよ・・・」(←アホか)

その後、下流方向に移動し、温めの場所にも入ってみました。ここなら長湯を楽しめます。
こんな感じで場所を変えながら、1日楽しく遊んで過ごすことができます。これぞ大人の休日だよな~

こんな青空を眺めながら、極上の湯の川に浸かっていたら、空に吸い込まれそうな感覚に陥りました。
そして、ふと思いました。このまま自分も“昇天”してしまうのだろうか・・・
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