地元住民専用の温泉や、個人所有の温泉については、無理してまで入らないというのが私のポリシーです。
しかし、所有者のご好意で開放されているのであれば話は別。鹿児島県にもそんな温泉がいくつかありました。
 
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民家の広い敷地の一角に建つ、横長のこの建物。看板のようなものは特に何も掲出されていないのですが・・・
 
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左右対称に入口が2つあり、右側のサッシにはこのようなマークが。離れ形式のトイレということなのでしょうか?
いや、それが違うのです。実はこれ、知る人ぞ知る温泉なんです。100円で誰でも利用することができます。
ただし、非常に分かりにくい場所にあり、しかもここに達するまでの間、案内看板は1つも見かけませんでした。
 
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100円をどこで支払えばいいのか分からなかったので、敷地内で遊んでいた子どもたちに聞いてみました。
すると、隣の建物に料金箱があるよ、と元気よく教えてくれました。屈託のない笑顔が印象的でしたね。
 
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手作り感に溢れた料金箱の中には、100円硬貨が数枚入っていました。結構、利用する人がいるようですね。
 
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脱衣所は思っていたよりも広々しています。訪問時は他に誰もおらず貸切。うきうきしながら脱衣を始めました。
すると、そこに先ほどの子どもたちのうちの1人がいきなり乱入!どうやらかくれんぼが始まったようです。
本来なら「コラ~!」って注意すべきなのでしょうが、その時の私は殊勝にもこんなことを思いました。
「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい」(←古いぞ)
 
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浴室は潔いと感じるほどのシンプルさです。俗っぽさはまったくありません。一目で惚れ惚れしてしまいました。
 
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当然かけ流しで、浴槽には鉄管から熱めの湯が常時投入されています。この無骨さがまたいいですよね。
 
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浴槽はコンクリート製なのですが、そこから溢れ出す温泉の成分によって白くコーティングされています。
つまり、泉質も湯の使い方も極めて良好なんですよね。温泉マニアが狂喜乱舞しないはずがありません。
 
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なお、こういう温泉はマナーが悪ければ閉鎖される可能性があるのですが、ここでのマナーは良好のようです。
浮き輪は、幼児期から温泉文化に親しませようということでしょうか。地域の人々の思いが伝わってきました。
 
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あ~、こんな温泉に毎日入ることができたらどんなに幸せだろう。ご近所の方々が本当にうらやましいですね。
 
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心も体もポカポカになって大満足の私。入浴後、クールダウンがてら脱衣所の窓を開け放ちました。
そこから眺めた鹿児島の素朴な里山の風景は本当に素晴らしく、旅を終えた今も、強く印象に残っています。
 
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なお、敷地内には洗濯場があり、そこでも温泉が利用されていました。温泉が生活に根ざしているんですね。
しかも、貯湯槽から流れ出した温泉が析出物の丘を作っているではありませんか。歴史を感じました。
どうしてこの場所が分かったのかって?驚いたことに、今回私が使用した古いロードマップに載っているんです。
もっとも、微妙に記載位置が間違っていたので、最終的には現地で聞き込みをしたんですけどね・・・