ごく平凡な職業に就いている私は、源泉徴収という形で税を納めています。つまり給与天引きということです。
そんな私にとって、休日に仕事を一切忘れて温泉に浸かることは、職場での活力の“源泉”にもなっています。

さて、群馬県をドライブしていた時のことです。地元の人しか通行しないような道端の空き地に気になるものが。

それはこちらの物体。一見、単なる物置のようですが、よく観察すると、ホースや塩ビパイプが確認できます。

さらに、すぐ側にはこのような巨大なタンクが鎮座。もっとも、現在使用されている様子はありませんでしたが。
現場で耳を澄ませると、さらさらと水が流れる音がどこからともなく聞こえてきます。音源はどこだ!?

あっ、ここです。地中に半分埋め込まれたホースから水が漏れています。ホースは完全に切断されていました。
自然とそうなったまま修復せずにいるのか、必要性がなくなったので故意に切断したのかは分かりません。

ホースを起こして水の温度測定を行うと、何と36.3℃もありました。つまり、これは温泉ということになります。
となると、物置のような物体は源泉小屋で、その中に井戸があることはほぼ確実だと思われました。

さあ、ここでマイ塩ビパイプの登場です。掘り起こしたホースから落下する源泉をエルボでしっかり徴収します。

そして、源泉をたらいへと導くのです。平坦地が限られていて、たらいの設置には少々苦労してしまいました。

それにしても、この源泉徴収方法はなかなかユニークですよね。パイプを手で押さえなくても湯を自在に投入。
ホース・塩ビパイプ・たらいが織り成すその光景に、私はちょっとした「美」を感じてしまったのでした。

いよいよ湯が溜まってきました。たらいを斜面に設置したこともあり、もうたらいから湯がこぼれそうです。では・・・

ふう、こんな猛暑の日には、これぐらいの温度の源泉が一番気持ちいいですねえ。長湯ができますし。
血税の無駄遣いが許されないのと同様に、源泉が未利用のまま捨てられるのも私には許せないことなのです。
こんな“源泉徴収”なら大好きな私。税も温泉も、社会のために役立てられてナンボですよね・・・
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