先日、所用で佐渡に行った際、早めに現地入りし、以前から気になっていた温泉を訪問してみることにしました。
 
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実りの秋を向かえた田の向こうに見える、あの建物こそがお目当ての温泉です。なかなかいい佇まいですよね。
 
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無事到着です。ちなみに、最寄りのバス停(仙道)からここに至るまでの間、案内板は一枚もありませんでした。
一見、民家のような外観をしており、本当にここが温泉なのか、少々不安になってしまう方もいることでしょう。
 
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建物に近づくと、植込みの奥にようやく「仙道温泉」と書かれた看板が見えてきてホッとしました。
ただし、相当年季が入っているようで、赤い文字が消えかかっています。この時点でB級臭がプンプンしました。
 
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今回訪れたのは、旧畑野町にある仙道温泉「湯林荘」です。地元の人にもあまり知られていない、穴場だとか。
何を隠そう、この私もかつて佐渡に4年間住んでいたことがあるのですが、当時は全く知りませんでした(苦笑)
 
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この湯林荘は、新潟県公衆浴場業生活衛生同業組合に加盟しているため、料金は大人390円となっています。
天然温泉を利用した銭湯というのは、他県ではよく見かけますが、新潟県内では非常に珍しい存在です。
 
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受付から浴室へと向かう廊下には、食器棚などの生活感に溢れたアイテムが雑然と置かれていました。
非常口のドアの前には、なぜか滑り台がバリケードのごとく鎮座。緊急時の避難は大丈夫なのでしょうかねえ。
 
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脱衣所の手前には休憩コーナーが。高さの揃っていないテーブル、テープによる修復跡が痛々しいソファー・・・
 
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そして、通販番組でもおなじみの数々の健康器具が所狭しと並びます。私は思わず息を呑んでしまいました。
 
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極めつけは、壁に掲げられた、1980年代に君臨した人気女性アイドルのタペストリー。これは泣かせるなあ。
とにかくこの雰囲気は、マニアには有名な「西方の湯」に近いものがあると思いましたね。ある意味感動です。
 
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脱衣所もまた、温泉マニアのハートをくすぐるツッコミどころ、じゃなかった、魅力が満載でした。
例えばこの脱衣棚。奥板にペンで手書きされた漢数字の番号が、なかなかいいB級感を醸し出しています。
 
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脱衣棚の上の玩具には埃が堆積。私には、まるでミニチュア遊園地に雪が降り積もったかのように見えました。
 
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脱衣所内の2つのベンチの背もたれには、常連さんのものと思われるタオルがびっしり。置きタオルでしょうか。
お風呂セットならまだ分かるけど、タオルを置きっ放しとは・・・。当然、ここに腰掛けるのはためらわれました。
 
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さあ、気を取り直していざ浴室へ。おお、これはいい雰囲気ではありませんか。ブルーの壁が目に鮮やかです。
 
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向かって右側の浴槽には美しい緑茶色をした温泉が。加温・循環は残念ですが、これは極上のモール泉です。
 
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向かって左側の浴槽には湯が張られていませんでした。観察すると、こちらの浴槽には吸引口がありません。
であれば、こちらに加温前の源泉(17.4℃)をかけ流しで投入すれば、冷泉浴も楽しめていいんですけどね。
 
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それにしても、この湯の色は美しいですねえ。源泉蛇口を開きっ放しにすれば、ちょっと贅沢な気分になれます。
 
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壁面にはトキの写真が飾られています。タイルは佐渡の山を、青い壁は佐渡の空を表しているのだとすれば、
なるほど、トキが美しい佐渡の自然の中を優雅に飛び回っているかのように見えてきますよね。
 
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佐渡にもこんなに素晴らしいB級温泉があったとは。ふるさと新潟の魅力を再発見したようでうれしかったです。
佐渡に住んでいる時にこの温泉を知っていれば、自分も置きタオルをしていたのかな・・・