現在、JRグループでは秋田デスティネーションキャンペーンを展開中です。(10月1日~12月31日)
そのキャッチコピーは「あきたにしました。」・・・シンプルですが、旅心をくすぐるいいフレーズだと思いませんか?
 
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そのキャッチコピーに大いに刺激された私は、思い立ったが吉日、日帰りで秋田遠征を強行することにしました。
現地のライブカメラ映像と天気予報を入念にチェックし、これなら大丈夫と判断。いざ目的地へ向かったのです。
そう、来年に持越すつもりだった、あの野湯に出会うために。場所は事前の学習で絞り込めていましたが・・・
 
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あっ、あそこだけ雪が融けているではありませんか!そして塩ビパイプが見えます。当然私は駆け寄りました。
 
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わ~、これは素晴らしい。私が一番心惹かれる温泉はこういう温泉ですっていう、まさに典型中の典型です。
これまで秋田には何度も遠征に出かけていたというのに、この温泉については完全に見落としていました。
 
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塩ビパイプからコンコンと流れる未利用の源泉。ルーティンな光景なのに見飽きることがないから不思議です。
 
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源泉は近くの小川に向かって静かに流れ出していきます。鉄分の影響でしょうか、地面が赤く染まっています。
 
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川の畔には先人が残したと思われる湯船がありました。ただし、泥に埋もれており、入浴には工事が必要です。
それにしても、ネット上にはほとんど情報が存在しない野湯だというのに、知っている人はいるんですねえ。
 
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先人の湯船から溢れ出した源泉は、やがて小川へと合流します。きれいな川ですので、夏は冷水浴もOKです。
 
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ところで、この温泉が素晴らしいのは、48.1℃と浴用に供するにはちょうどいい温度であるということです。
これなら加温も加水もせずに商業利用することが十分可能なはずなのに。本当にもったいない話ですよね。
 
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当然私はたらいで入る気満々です。しかし残念なことに、パイプをたらいの縁の高さまで持ち上げられません。
持参した塩ビパイプは口径の違いから接続不可能。現場に転がっていた延長用パイプは泥が詰まっています。
 
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思案の末に私が下した決断。それは、折りたたみバケツに湯を汲んで、たらいに投入するということでした。
パイプで源泉かけ流しにできないのは残念ですが、こうするのが一番手っ取り早いと判断し、妥協したのでした。
 
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さあ、いよいよたらいが湯で満たされました。無色透明に見えた湯は、たらいに溜めると笹濁りを示しました。
さらに手にすくってテイスティングしてみたら、これが超しょっぱくてビックリ!つまり、泉質も良好なんですよ。
 
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あ~、やっぱり思い切って出かけてよかったとつくづく実感。来年に持ち越さなくて大正解だったと思いましたね。
そうそう、冒頭のデスティネーションキャンペーンですが、「デスティネーション」とは「目的地」という意味です。
今回の弾丸遠征の目的地はもちろんこの野湯。私が達成感に浸ったのは言うまでもありません。が、しかし・・・
たらい入浴を満喫しつつも、“本当のデスティネーション”は別にあると思い始めている自分がいました・・・(続く)