(前記事からの続きです)
JR湯ノ岱駅を後にし、温泉へと向かった私。聞こえてくるのは新雪をキュッキュッと踏む自分の靴音だけです。
 
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駅前の道を右に進んですぐに「湯ノ岱温泉郷」と書かれた看板が見えてきました。それにしても静かな町です。
 
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江差線の踏切を渡り、さらに天の川に架かる橋を渡ると、お目当ての国民温泉保養センターに無事到着です。
湯ノ岱温泉郷というものの、現在営業している施設はここだけのようです。建物もかなり年季が入っていますね。
 
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この施設は湯ノ岱駅に近いこともあり、全国の鉄道ファンが江差線乗車のついでに立ち寄ることでも有名です。
施設の方もそれを十分理解されているようで、明らかに鉄道ファンを意識した工夫が随所に見られました。
 
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鉄道ファンだけではなく、地元の方はもちろん、温泉ファンにも高い評価を受けているのがこの温泉の特徴。
1号井・2号井の2つの源泉を存分に楽しめるということで、私もかなり期待してやって来たのでした。
 
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男子浴場はかなり広々しています。冬場はどうしても湯気が立ち込めてしまうのは仕方のないことですよね。
 
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浴室手前の一番大きな浴槽には、42℃に加熱された2号井の源泉がザーザーと注がれています。
 
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湯は美しい赤茶色。思わず見とれてしまいました。この色からして濃厚な湯であることは間違いありませんね。
湯口で源泉を手ですくってテイスティングしてみると、炭酸泉に特有な甘さと苦さが感じられました。
 
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石を並べた浴槽の縁には源泉の析出物によるベンチが形成されていました。ファンを唸らせるアート作品です。
 
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一方、中央の浴槽には2号井の源泉が非加熱の38℃で投入されています。温湯が好きな方にお勧めです。
 
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面白いと思ったのは湯の色の違い。加熱すると赤くなる湯は、非加熱の状態だとやや黒ずんで見えるのです。
 
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さらに一番奥には、ジャグジー装置を備えた小さな浴槽があります。定員は1~2名といったところでしょうか。
 
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この浴槽には1号井の源泉が使用されています。その温度は真ん中の浴槽よりもさらに低く、35℃だそうです。
ここまで低いと、熱い湯が好きな私としては物足りなくなってしまうのですが、実はこの湯は侮れないのです。
 
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それは浴槽の縁を見れば一目瞭然!こぼれ出す源泉の析出物で、もう目一杯コテコテの状態になっています。
 
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この千枚田は見事というほかないですねえ。視覚的にも十分満足させてくれる名湯だと思いました。
 
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また、3本ある打たせ湯の周囲もなかなか凄いことになっていました。壁に圧倒されるほどの析出物の造形が。
ここまで成長するのにどれだけの年月を要したのでしょうか。これだけ湯が濃厚だと、管理も大変でしょうね。
 
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浴室の窓はかなり大きく、内湯なのに開放感があります。窓の外にはモノクロームの絵画のような風景が。
初夏の新緑や秋の紅葉の時季に訪れれば、これとは違う、鮮やかに彩られた絵画を見せてくれるのでしょうね。
 
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もうすっかりご満悦な私。JR江差線が廃止されるのは残念だけど、この温泉はいつまでも残っていてほしい。
そう願わずにはいられませんでした・・・