JR江差線の惜別乗車のために出かけた今回の列車旅のもう1つの目的。それは知内駅を訪ねることでした。
 
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知内は木古内からJR津軽海峡線を青森方向に進んだ隣の駅ですが、これがなかなか行きにくい駅なのです。
 
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木古内から乗車するのは8時47分発の特急スーパー白鳥22号新青森行きです。隣の駅までなのに特急?
それってちょっと贅沢し過ぎ、というか浪費じゃないのって思った方もおられるかもしれませんね。
 
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実は、木古内から知内・津軽今別・蟹田までは乗車券のみで特急の自由席に乗車できる特例があるのです。
なお、私が今回の旅で使用した函館・大沼フリー乗車券ではエリア外になるので、乗車券を別途購入しました。
 
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木古内駅は2015年度の北海道新幹線開業に向けて工事の真っ最中。すでに新駅舎が姿を現していました。
 
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列車が入ってきました。この日は朝から晴天に恵まれ、スーパー白鳥の緑のボディカラーも眩しく見えました。
 
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知内までの乗車時間は8分。木古内のすぐ隣の駅なのですが、駅間の距離は11.8kmもあります。
 
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到着しました。明らかに“同業者”と思われる方が数名下車しました。その一方、乗り込む乗客はゼロでしたね。
 
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私がこの駅に降り立つのは今回が2回目になります。そしてこれが最後の訪問になることは間違いありません。
 
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というのも、北海道新幹線建設工事に伴い、3月14日(金)をもってこの知内駅は廃止されてしまうからです。
路線が廃止される訳ではないのに駅が廃止される・・・こういうケースは結構珍しいことかもしれません。
 
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それにしてもホームからの冬景色の素晴らしいこと。思わず息を呑み込んでしまいそうなほどの絶景でした。
知内駅は町の中心部から離れていることもあって大自然の中にポツンと存在しているような感じなのです。
そのため地元客の利用は少なかったのではないかと思われます。
 
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しかも、この駅に停車する列車は1日に上下各2本という少なさ!これでは不便でほとんど使えないですよね。
冒頭において、知内は行きにくい駅だと記したのはそのためだったのです。むしろ、車の方が楽に行けます。
なお、乗車券のみで特急への乗車が認められているのは、この駅に停車する列車が特急しかないからです。
 
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知内は特急停車駅ですが、無人なのできっぷは販売していません。この乗車駅証明書がいい記念になります。
 
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駅舎は道の駅しりうちに併設。しかし、扱いの差は歴然!JR知内駅はおまけのような存在にすぎません。
しかも、道路側から見ると、駅舎は完全に死角に入ってしまいます。これでは勝ち目はありませんよね。
 
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通路に椅子を並べて待合室にしているだけの簡素な駅。いったい、1日の利用客は何人なのでしょう。
でも、こういう駅だからこそぜひ行ってみたい。しかも、車利用という邪道ではなく、列車を利用して行きたい。
そういう思いを抱かせる駅なんですよね。この駅に列車を利用して行ったというのは、功績になると思うのです。
 
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将来は新幹線と貨物列車が通過するだけの信号場となってしまう知内駅。もう列車で来ることはできません。
新しいものと引き換えに何かが失われていく。時の流れとともに、人々の記憶からもいずれ消えていくのかも・・・
 
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物思いに耽っているうちに、下りの特急白鳥93号がやって来ました。これに乗って知内駅を後にします。
最終日となる3月14日には地元の方によるお見送りのイベントがあるそうです。さようなら知内駅。
せめて最終日は大勢の人で賑わって、ここに確かに駅があったということを人々の胸に刻んでほしいです・・・