宮城県内を流れる、とある河川の源流部を探検していた時のことです。初夏の薫風が実に心地よい日でした。

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いい雰囲気の渓流瀑(いわゆるナメ滝)の脇に、ブルーシートや流木で組み立てられた何かが見えます。
もう全開で景観を損ねているような気もしますが、当然私は興味津々でその物体に接近してみたのでした。

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思った通り。もう崩壊寸前ですが、これは先人が作り上げた湯船ですね。よくぞここまで資材を運んだものです。

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湯船上方の斜面には、高温の源泉がボコボコと湧出している箇所が。温度を測定してみたら、55.5℃でした。

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その源泉を湯船に導いているのですが、底が抜けてしまっているために湯は溜まることなく流れ去るのみ。
さて、どうしたものかとも思ったのですが、結局一念発起し、この湯船の修復作業に取り掛かることにしました。

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まずはブルーシートを引き上げ、角を近くの木にロープで固定しました。ロープワークには自信がありませんが。

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次にホースの整備です。高温の源泉は奥に見える橙色のホースで湯船に導くのですが、少量なのが難点。
そこで温度調整も兼ねて、不本意ではありますが、脇の沢から水を引くことに。先人もそうしていたみたいです。

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すると、いい感じで湯が溜まってきたではありませんか。やはりトライしてみてよかったと思いましたね。

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しかも、湯の温度は42.8℃とほぼ適温。源泉と水の混合比も実に上手くセッティングできたのでした。

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さあ、湯船が湯でいっぱいになりましたよ。ロケーションは抜群ですので、これは爽快な湯浴みになりそうです。

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まあ、粗末で見てくれは悪いですが、こういうB級感に溢れた湯船は嫌いではありません。手作りですしね。

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あ~、これはたまりませんね。自然との一体感があり、とても気持ちよかったです。修理した甲斐がありました。

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湯船の脇にはナメ滝の絶景!その迫力は見飽きることがありません。真夏なら水遊びも楽しめそうです。

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今日はしばらくここでのんびりしていこうかな・・・しかし、その思いはいとも簡単に打ち砕かれました。
理由は単純。湯の重さに耐えきれなくなり、この直後、湯船が儚くも一瞬で崩壊してしまったからです・・・