こんな私だって、たまには温泉に関するアカデミックな調査をしてみたくなることがあります。
やって来たのは白いコンクリート壁のこの建物。一見、公衆トイレのような外観をしているのですが・・・
壁に見逃せないものが。かなり風化が進んでいて文字の判読が困難になっていますが、分かるでしょうか?
そう、これは温泉の分析表なのです。看板左下の「アルカリ性単純温泉」の文字ははっきりと読めますよね。
このコンクリート製の物体が源泉小屋であることはもう間違いないでしょう。さらに興味津々なのは・・・
この井戸です。金属の腐食はほとんど進んでおらず、まだ新しそうに見えます。消雪用の井戸でしょうか?
いや、違うようです。というのも、井戸に「自噴流量調査用」と書かれていたからです。ならば調査してみましょう。
勝手に栓を開けてはいけませんといった注意書きは一切なかったので、失敬してバルブを回してみたところ・・・
おっと、ほとばしるように源泉がドバドバと出始めたではありませんか。想定の範囲内とはいえ、驚きましたね。
自噴流量を目視によって調査していた私ですが、源泉がもったいないので塩ビパイプでキャッチすることに。
そして源泉は持参したたらいに溜めてみることにしました。こうすることでも流量の調査は可能ですもんね。
調査終了。その結果、数分でたらい(120L)がいっぱいになるほど十分な自噴流量があることが分かりました。もっとも、正確な時間は計測していませんけどね。(←おいおい、いったいどこがアカデミックなんだ!?)
その代わり、源泉の温度は正確に測定しましたのでご安心を。その結果については37.0℃とやや温めでした。
さて、調査は終わったものの、この源泉をこのままリリースしてしまうのはもったいないと思い始めた私。
少し後ろめたさもあったのですが、せっかくなのでこの源泉に浸からせてもらうことにしました。
捕鯨と同じように、調査の副産物を可能な限り有効利用することは調査を行った者の義務だと言い聞かせて・・・
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