夏の暑い日にぴったりな冷鉱泉を求めて、新潟県内のとある集落にやって来ました。

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のどかな集落の道端にポツンと祠のような小屋が建っていて、中に黄色いローリー用タンクが置かれています。

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実はこの小屋、温泉スタンドなのです。もっとも、温泉好きの方ならよくご存知だとは思いますけどね。

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タンクのふたを開けてみると、いかにも濃そうな源泉が満々と湛えられていました。思わず心が躍る光景です。

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タンクの下部に取り付けられたバルブを開くと、硫化水素臭のする鉱泉が勢いよく出てきました。まずは洗顔。
あ~、ひんやりとして気持ちがいい!前にもここで洗顔をしたことがあるのですが、新鮮な感動を覚えました。

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なお、丁寧なことに、小屋の中にはこの温泉の分析表が掲示してあります。調査日は何と明治時代だそうです。

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ちなみに源泉の温度は21.6℃でした。つまり鉱泉なのですが、成分で温泉法の定義を満たしているのです。

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このタンクには常時一定量の源泉が投入されていて、オーバーフローした分については側溝に捨てられます。

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排水用塩ビパイプの先は、湯花で側溝が白く染まっていました。いかに濃厚な鉱泉であるかが分かりますよね。
さて、洗顔だけでは物足りないと思った私。できれば思い切ってたらいで入浴してみたくなってしまいました。
ただしここは集落の中。そこで地元の方に許可を得ることにしました。「あの~、つかっていいですか?」

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すると、ご近所のおばさんがニコニコしながらおっしゃいました。
「どうぞどうぞ。この温泉は無料ですから、どなたでも自由につかっていいんですよ。」
よし、これで鬼に金棒だぜ。私はドヤ顔で入浴準備を開始。早速持参した塩ビパイプで鉱泉をキャッチします。

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バルブを全開にするとかなりの勢いがあり、見る見るうちにたらいに鉱泉が溜まっていきます。素晴らしい!

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さあ、入浴準備が整いました。道端ですが、おばさんに許可もいただいたことですし、早速入ってみましょう。

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う~ん、これは気持ちいい。洗顔だけでは決して分からない泉質の良さを全身で受け止めることができました。
そこへ先ほどのおばさん登場。「あらやだ、ここで入っちゃったの?まあ~」とまさかの驚き&呆れ顔。
先ほど「つかっていい」っておっしゃっていたのに何で!?しばらくして、私はあることに気がつきました。

私:「つかっていいですか?」→「ここでたらいに鉱泉を入れて浸かっていいですか?」
おばさん:「どなたでも自由につかっていいんですよ」→「誰でも自由に温泉スタンドを使っていいんですよ」

つまりコトバのあやってやつですね。悲鳴を上げるでもなく、笑って通り過ぎて行ったおばさん。ありがとう・・・