母の実家があることもあり青森には何度も訪れている私ですが、まだ入ったことのない温泉が山ほどあります。

さて、弘前市にある「岩木青少年スポーツセンター」にやって来ました。遅ればせながら、今回が初訪問です。
まずはそのロケーションの素晴らしさに感動しました。建物の背後に雄大な岩木山の姿・・・絶景ですよね。
ところで、どうして青少年スポーツセンターに?そもそも青少年じゃないじゃん、って思った方もいるでしょう。

メタボ対策としてここで秘密の特訓をしようという訳ではありません。その必要性は十分あるんですけどね。
実はここに天然温泉が引かれた浴室があり、青少年でなくても入浴することができるのです。

300円を支払い浴室へ向かいます。浴室への廊下は「RUGBY ROAD」という名称がつけられていました。

どうやらここはラグビー部の合宿地として人気があるみたいですね。“東北の菅平”といった感じでしょうか。

浴室には第1浴室・第2浴室の2つがあり、第2浴室が男子浴室になっていました。では中に入ってみましょう。

わ~、いいじゃないですか。あくまで社会体育施設なので旅情はありませんが、いい雰囲気の浴室です。

湯はこのちょっと変てこな形の塩ビパイプから注がれています。まるでバズーカ砲のようでもありますよね。

パイプには温泉成分の析出物がびっしりと付着。そう、泉質も抜群なのです。それは当然と言えば当然。

だって、使用されているのは嶽温泉の源泉なんですよ。同じ源泉に青少年スポーツセンターでも入れるとは。
湯量が豊富な津軽地方では特に珍しいことではないのかもしれませんが、よそ者からすると恐るべしです。

湯は白濁しているのですが、よく観察してみると、細粒な白い湯花が無数に浮遊していることが分かりました。
口に含んでみるとレモン汁のような酸っぱさがあります。う~ん、やっぱり素晴らしい泉質です。

ちなみにこの源泉パイプは方向可変式。まあ、どうでもいいことなのですが、私はちょっとうれしかったですね。

当然源泉かけ流しなので、湯船の縁からは常時オーバーフローした湯がザーザーと豪快に流れ去ります。
嶽温泉の源泉をこんなにも贅沢に使用するなんて。うれしいような、もったいないような、複雑な気になりました。
ここでトドのように寝転がったら、どんなにか気持ちのいいことでしょう。(←青少年はそんなことしません)

また、浴室の窓から見える岩木山の美しいこと。吹き下ろす涼風はまるで天然のクーラーのようでした。
岩木山を眺めながら白濁の硫黄泉に浸かる。これがたったの300円なんて、本当に津軽は素晴らしいですね。

もっとも、湯船に浸かってしまうと、岩木山はこんなふうにてっぺんの部分しか見えないんですけどね(笑)
建物の老朽化が進み、浴室の改修を行う際は、岩木山側を全面ガラス張りにすることをお勧めします。

源泉の酸っぱさは青春の酸っぱさでもあるのかな。もう二度と戻らない日を回想しながら入浴した夏の夕暮れ・・・
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