10月上旬、所用により北海道に行ってきたのですが、その帰り道に青森県の浅虫温泉に立ち寄りました。

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この旅館「双葉荘」にどうしても行っておきたかったからです。というのも、今月末をもって廃業してしまうのです。

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実は浅虫には親戚が住んでおり、その親戚宅から徒歩わずか1~2分という立地。それなのに未訪問でした。
今思えば、何でもっと早く行っておかなかったのでしょう。近くの公衆浴場には入ったことがあるんですけどね。

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中に入り受付で日帰り入浴をお願いすると、とても人柄のよさそうな女将さんが笑顔で出迎えてくださいました。
廃業の理由をそれとなく尋ねると、高齢で後継ぎもいないので、とのことでした。残念でなりません。

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早速浴室へ向かいます。この旅館は温泉ファンの評価が非常に高いので入浴するのを楽しみにしていました。
もっとも、その評価の高さは、女将さんの人柄の良さも大きく影響していることは間違いなさそうですけどね。

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この双葉荘ですが、てっきり集中管理されている共同源泉(浅虫温泉配湯泉)からの引き湯かと思いきや、
何と敷地内に自家源泉(浅虫双葉荘源泉)を所有しているのです。当然この源泉はこの旅館でしか入れません。

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脱衣所はシンプルそのもの。建物の外観と同様、レトロな佇まいです。源泉が73.0℃と高温のためでしょうか、
ボートのオールのようなかき混ぜ棒がさりげなく立てかけてあるのが印象的でした。

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浴室もなかなかいい雰囲気です。藍色の壁のタイルが目に鮮やかで、レトロモダンな空間を作り出しています。

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湯船のタイルもまた見事ですよね。サイズは決して大きくはないので、湯の鮮度は抜群ということなります。
この日は外気が低かったのであいにく湯気がこもりがちでしたが、この浴室を独占できる幸せをかみしめました。

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源泉はこの昭和スタイルの蛇口から常時投入。高温なので量が絞られていますが、贅沢にかけ流しています。

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それにしてもこの析出物は見事ですねえ。これはもう1つの芸術作品と言ってもいいかもしれませんよね。

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また浴室にはコップが用意されていて飲泉が可能でした。飲んでみるとこんがりとした塩スープ味。美味でした。

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浴室の床には湯船からザーザーと湯が流れ出します。汚れも洗い流されるため、とても清々しい気になります。

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私の親戚は近所に住んでいながら、この旅館が廃業すること、独自源泉を持っていることを知りませんでした。
現実はそんなものなのかもしれませんね。こんなに素晴らしい温泉なのに。女将さん、ゆっくり休んでください・・・