臨時として残っていたあの列車がついに完全廃止へ・・・この冬、列車旅ファンの間にそんな噂が流れました。

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あの列車とは上野と青森を結ぶ寝台特急「あけぼの」です。定期列車としての運転は昨年3月に終了しました。
しかし、ゴールデンウィークとお盆期間には臨時列車として復活。比較的設定日が多く、ファンを喜ばせました。
ところが年末年始は設定日が激減!もはや風前の灯の状態で、今春以降の設定はないと予想されたのです。

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あけぼのは本当にこれで最後なのかもしれない。胸騒ぎを覚えた私は、1月4日の夜上野駅にやってきました。
定期列車時代は8両での運転でしたが、臨時列車は6両。電光掲示板の「6両」の文字がどこか寂しげでした。

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臨時のあけぼのが出発するのは毎日運転されていた時と同じ13番線。すでに多くの人が集まっていました。

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あけぼのがホームに入ってきました。上野駅の13番線は行き止まり式なので、列車はバックで入ってきます。
後方の機関車の運転士と先頭の客車の係員が無線連絡を行いながら進入します。これを推進運転といいます。

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定位置に停まりました。編成が短くなった分、かなり手前で中途半端に停車した印象は否めませんでしたね。
ホームには安全対策としてロープが張られ、写真撮影はロープの外側で行うように規制されていました。
ところで、あけぼのにはあの日サヨナラしたはずの私。わざわざ見物のためだけに上野まで来たと思います?

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もちろん、そんなはずはありません。当然乗る気満々でやって来たのです!(←未練たらたらじゃねーか)
事実上のラストランとなるであろう1月4日の下りの寝台券を入手することに成功。人気の下段の寝台券です。
しかも下りでは、ベッドに座った時に進行方向になるのは偶数番の席。希望通りの席を確保でき大満足でした。
それにしても、上野を21時33分に出発して青森に着くのが翌日の12時19分って、ある意味凄いですよね。

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上野駅の13番線に掲げられたあけぼのの乗車口案内板。これはもうすでに撤去されてしまったと聞きました。

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私が乗り込むのは2段式開放タイプのB寝台です。定期列車時代のあけぼのはA寝台個室、B寝台個室、
寝台券不要のゴロンとシートとバラエティに富んでいましたが、臨時ではオールB寝台のモノクラス編成。
やや魅力に欠ける気もしますが、かえってこの方が国鉄時代の寝台特急を彷彿とさせるものがありますよね。

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これまで何度もお世話になった車両ですが、やはり乗り込む時のワクワク感はいつもながらたまりませんね。

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同区画のベッドにはどんな人が乗ってくるのだろう・・・これもまた寝台列車ならではの楽しみと言えるでしょうね。

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ところでよくよく思い出したら、あけぼので寝具の用意された2段式のB寝台に乗るのはこれが初めてでした。

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出発までの時間を利用して車両の見物へ。列車旅ファンの間では有名ですが、この方向幕はレアなんですよ。
行き先の「青森」の下に小さく「奥羽線経由」と入っていますよね。この文字入りの車両は珍しいのです。
いわば四つ葉のクローバーのような存在といったところでしょうか。ささやかなことですがうれしくなりましたね。

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先頭の機関車付近もロープ規制が行われていました。運転席の窓の下に「長岡」と書かれた札があります。
あけぼのを牽引するのは、青白ツートンカラーのEF64形と呼ばれる古い機関車。国鉄時代からの老兵です。
長岡車両センターに所属していて、上野から長岡までの牽引を担当しています。

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冬はあけぼの。あの感動の旅が甦る。心地よい緊張感が訪れた時、発車メロディが流れ始めました・・・(続く)