(第3話からの続きです)
酒田を定刻の7時に出発した臨時寝台特急あけぼのは、終点の青森を目指して庄内平野を北上していきます。

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下りのハイライトシーンの1つ、鳥海山が見えてきました。あいにく山頂が雲に覆われてしまっていましたけど。
でも、雪原の向こうに見える雄大な裾野の延長線を想像で描くことにより、山頂がどの辺りか見当がつきました。

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遊佐に到着しました。ここでは3分間停車します。単線を走行することもあり、特急とはいえのどかな旅路です。
実際、この先も羽越本線内の各停車駅では2~7分間の停車時間があります。かなりの鈍足ぶりですよね。

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でもそれでいいんですよ。だって少しでも長くあけぼのに乗っていたいのですから。先を急ぐ必要はありません。
遊佐では上り普通列車と交換したのですが、ホームに出てその様子を眺めるだけでも楽しいものなのです。

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山形・秋田の県境付近に差しかかると、左側車窓に日本海が近づいてきます。冬の荒々しい姿をしていますね。
大陸からの強い季節風から家屋を守るためなのでしょう。海辺の寒村の民家には立派な瓦が使われています。

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海が見え始めてからは、多くのお客さんがベッドから起きてきて、通路のベンチシートに座るようになりました。
夜行列車から眺める海というのはまた独特の風情があるんですよね。漂泊の思いが募るとでもいうのかな・・・

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秋田県に入って最初の停車駅・象潟に到着。象潟は『奥の細道』で松尾芭蕉が辿った最北の地として有名です。

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その象潟を象徴する風景が九十九島。田の中に松の木が生えた小島が点在し、陸の松島とも呼ばれています。
これはかつて鳥海山が噴火した際、山体崩壊によって生じた泥流が日本海に流れ込んで形成されたものです。
以前この辺りは浅い海であり、無数の島々が存在していましたが、隆起によってこのような姿になったのです。

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象潟の次は仁賀保です。ここでの停車時間は2分間と短めだったのですが、それでもホームに降りてみました。
というのも、この駅はブログでコメントをやりとりさせていただいている、ある方のホームグラウンドだからです。
もしかしたら会えるかもしれないと淡い期待を抱いていたのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。

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羽越本線最後の停車駅である羽後本荘に到着しました。ここでは7分間と比較的長めの停車時間があります。

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すでに完全に夜が明けた時刻ですが、曇天のため暗く感じます。冬の日本海側では当たり前なんですけどね。
あけぼのを牽引する赤い機関車は、冬の北東北の鉛色の空にも見事に調和するから不思議なものです。

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臨時列車では6両とスリムな編成になったので、先頭の機関車から最後尾への移動も容易になりました。
でもね、やはり6両では長距離列車としての威厳が感じられません。どこか物足りなく感じてしまうのです。

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羽後本荘の次は秋田。雄物川を渡れば間もなく到着になります。ここではあるバトルに参戦予定です・・・(続く)