(第1話からの続きです)
特急はくたかは越後湯沢駅を静かに出発します。発車前、ホームにベルやメロディーが鳴ることはありません。
新幹線も停まる駅でしかも特急の始発であるにもかかわらずです。初めての人は結構驚くみたいですね。

まずはJR上越線を快走。9両と長い編成なので、カーブに差し掛かると先頭車が見えるのがうれしいですね。
なお、私が乗車しているのははくたか6号。通常偶数番号は上り列車に付与されますが、上越線内を下ります。
はて?はくたかは東京から下る方向に走りますが、北陸本線に入れば大阪に向かって上る方向に走ります。
はくたかの列車番号は、北陸地区を基準に割り振られているのでこのようなことになるのです。

それにしても素晴らしい景色。特急はくたかは、雪山を眺める列車としては日本屈指の存在かもしれません。

六日町からは北越急行線に入ります。単線なので特急でも行き違いのための運転停車を行うこともあります。
ちょっと分かりづらいかもしれませんが、上の写真はトンネル内で越後湯沢行きのはくたかと並んだ場面です。

長いトンネルを抜け十日町盆地に出ました。河岸段丘面の上を、しかも高架で走行するので見晴らしは抜群!

そして十日町駅を通過したと思ったら、一気に下り坂になってトンネルに突入。河岸段丘の中へと潜っていき、
信濃川の水面とほぼ同じ高さにまで急降下していくのです。これがジェットコースターみたいで私は大好きです。

そして再び長いトンネルを抜ければ、すっかり雪が消えたくびき野(高田平野)の大地がいっぱいに広がります。
その奥に見えるのは雪を抱いた霊峰米山。北越急行線の車窓の変化は本当にドラマティックだと思いますね。

やがて車窓右側からJR信越本線が近づいてきて、はくたかは上りの線路をオーバーパスしながら合流します。

直江津に到着しました。ここから先はJR西日本の北陸本線に入っていきます。ここでは1分間停車します。

その1分の間に大事な儀式が行われます。それはJR東日本の車掌さんとJR西日本の車掌さんの交代。
先頭車では運転士も交代しているはずです。駅弁の立ち売りも行われていて、なかなか活気があります。

さあ、ここからのはくたかも車窓から目が離せません。まずは日本海を眺めを満喫。すっかり春の海ですねえ。
その後トンネルの中にあることで有名な筒石駅を通過するのですが、はくたかだと速すぎて見落とす可能性も。

また糸魚川駅の直前にはマニアックなポイントが。架線柱の真ん中の白い看板に書かれた文字、読めますか?
「交流」と書いてあります。そう、ここは直流から交流へのデッドセクション。列車旅ファンには有名な存在です。

糸魚川駅構内には、JRから経営を引き継ぐえちごトキめき鉄道ひすいラインの車両が留置されていました。
パンタグラフがありませんよね。ダイヤ改正後は、電化区間なのにディーゼルカーによって運行されるのです。

糸魚川は北陸新幹線の停車駅なのですが、はくたか6号は減速することなくアグレッシブにホームに進入。
何と通過してしまいます。糸魚川市民の方々には申し訳ございませんが、これはなかなか痛快ですね。

糸魚川はフォッサマグナで有名な町。険しい地形が車窓に迫ります。姫川は名前に反して暴れ川として有名。
終点の日本海が目前だというのに川原には大きな石ころがゴロゴロしていて、土砂運搬量の多さを物語ります。
私はもうずっとこんな感じで左右の景色に反応しっ放しです。周りの客から見れば滑稽なのでしょうか・・・(続く)
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