(第2話からの続きです)
特急はくたかの旅も後半戦に突入しましたが、糸魚川から先の車窓も見所が満載で退屈することはありません。

イメージ 1

新潟・富山の県境付近は飛騨山脈が日本海に直接落ち込むような場所であり、平地に乏しい交通の難所。
親不知・子不知と呼ばれるこの区間では、北陸自動車道が陸地に沿った海面上に建設されています。

イメージ 2

このアクロバティックな景観はなかなか見応えがありますねえ。低いアングルから見上げると迫力満点です。

イメージ 3

さて、列車は富山県に入り黒部川扇状地に差し掛かりました。ここでは砺波平野と同様に散村が広がります。
雄大な山々の風景をバックに、屋敷森を持つ民家が田園地帯に散在する様子はとてもほのぼのとしています。

イメージ 4

そして黒部川を渡ります。急峻な北アルプスの山々を侵食し流れくる河川。距離は短いけれど偉大な川です。

イメージ 5

進行方向右側には、富山湾の向こうに能登半島の姿が見え始めました。終点の和倉温泉はどの辺りだろう?

イメージ 6

富山県に入って最初の停車駅・魚津に到着しました。構内は広く、奥には富山地方鉄道のホームが見えます。
さあ、ここから先が特急はくたかの旅の車窓のクライマックスと言えるでしょう。それは何かといいますと・・・

イメージ 7

立山連峰です!それはまるで巨大なスクリーンのようでとても迫力があり、またドラマティックでもあります。
四季折々その雄大な姿を楽しめると思うのですが、雪を抱いた早春の立山連峰は特に感動的ですね。
夕日に染まるその姿もまた乗客の心を打つことは間違いありません。私は我を忘れて見入ってしまいました。

イメージ 8

黒部~滑川付近では富山地方鉄道の線路がほぼ並行して走っています。富山と宇奈月温泉を結ぶ路線です。

イメージ 9

富山に到着。ここで多くの人が下車し空席が多くなりました。はくたかの旅も終わりが近いことを実感します。

イメージ 10

その後不覚にもうとうとしてしまい、いつの間にか倶利伽羅峠を越え、気づいた頃には金沢に到着していました。

イメージ 11

大半のはくたかは金沢が終点なのですが、私が乗車している6号は和倉温泉行きなので旅はまだ続きます。
ただし、9両中、和倉温泉まで行くのは3両のみ。11分の停車時間の間に切り離しの作業が行われます。

イメージ 12

連結部分の貫通扉が閉められました。貫通扉は両開きのため、この車両にはヘッドマークはありません。
何だかのっぺらぼうのようでユニークな顔立ちですよね。これは好き嫌いが分かれるかもしれません。

イメージ 13

列車は進行方向が変わり、和倉温泉に向けてラストスパートに入りました。身軽な3両になって快走します。
途中、津幡までは来た道を逆戻りなのですが、乗り通す場合にはこの重複区間の運賃は発生しません。

イメージ 14

津幡からは単線のJR七尾線を走行。これまでの行程に比べると車窓は単調で、少々退屈な気にもなります。
途中の停車駅・羽咋はUFOの町。改札付近にはそれをPRするユニークな立て看板が設置してありました。

イメージ 15

最後の停車駅・七尾を過ぎれば終点の和倉温泉まであとわずか。越後湯沢からの長い旅路も終わります。

イメージ 16

和倉温泉に到着しました。石川県を代表する温泉地の1つですが、閑散期ということもあり降りた客はわずか。
これはちょっと寂しい幕切れでしたね。到着ホームがメインではない2番線だったので余計そう感じたのかも。

イメージ 17

廃止間際ではありましたが、特急はくたかを越後湯沢から和倉温泉まで乗り通すことができてよかったです。

イメージ 18

さて、特急はくたか・さよなら乗車の旅を満喫した後、私はどういう行動を取ったと思いますか?
せっかく和倉温泉に来たのだから、きっと温泉に入りに行ったのではないかってお思いの方もいるでしょうね。
正解は・・・駅舎から一歩も出ることなく、そのまま金沢に引き返しました。批判は甘んじてお受けします・・・(笑)