(前記事からの続きです)
特急はくたか6号に乗ってせっかく和倉温泉までやって来たというのに、温泉にも入らずに金沢へ引き返した私。
それにはある理由がありました。ちなみに和倉温泉から金沢までは特急サンダーバード36号に乗車しました。

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慌てて金沢に向かった理由?それは16時46分発の特急北越7号にどうしても乗る必要があったからです。
もっとも、新潟へはその日のうちに戻ればよかったのです。だったら次の9号(18時54分発)でもいいのでは?

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いや、この日に限っては絶対に北越7号で新潟へ帰りたかったんですよ。その7号がホームに入ってきました。

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そう、この日の北越7号は昔懐かしい国鉄色の車両で運行されることが事前に分かっていたからなのです。

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国鉄時代に登場したイラスト式のヘッドマークを掲げて走る特急列車は、今日ではもう絶滅寸前でレアな存在。
北越のイラストは日本海の荒波を描いたシンプルなものですが、その魅力は今も色褪せていませんよね。

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特急北越に使用されるこの車両は485系というのですが、新潟地区には国鉄色の485系が2編成存在します。
この日乗車することになったのはK1と呼ばれる車両。運転席の窓ガラスに書かれた文字で見分けがつきます。
なお、Kは国鉄(KOKUTETSU)の頭文字からきていると言われています。

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車両はかなり古く、昭和53年の製造です。この車両のこれまでの走行距離は地球何周分になるのでしょうね。

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座席はフリーストップ式のリクライニングシートに交換されていますので、乗り心地はいく分改善されています。

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ただしシートピッチはかなり小さいため窮屈な感じは否めず、長時間の乗車はきつく感じられるかもしれません。
かつては主に新宿と新潟を結んだ夜行快速ムーンライトえちごに使用された車両で、シートの色が独特です。
快速ムーンライトえちごでは6号車は女性専用だったためシートの色を赤にして区別していました。

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上の写真は先頭の6号車を撮影したものですが、シートの色が赤なのがお分かりいただけるでしょうか。
なお、特急北越の場合は男性も6号車に乗車することができます。ちなみに6号車は自由席です。

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かつては北海道から九州まで全国で活躍した485系ですが、国鉄色が今も特急に使われるのは北越だけ。
時代遅れと言ってしまえばそれまでですが、昔ながらの列車旅を満喫できる貴重な存在であることは確かです。
なお北越にはリニューアル車両が使用されることも多く、国鉄色がいつ使用されるかの公式発表もありません。
北越に乗車しようとしても、必ずしも国鉄色の車両に当たるとは限らないのです。

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ただし運用のローテーションはほぼ決まっているので、この日の北越7号には国鉄色が入ると確信していた私。
そのため指定席を押さえておきました。北越7号と印字された特急券を記念に手元に残すためです。

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さあ、北越7号が新潟に向かって出発しました。私がK1北越にフル区間乗車できるのはこれが最後でしょう。
窓の外にはあいにく雨が降り始めました。午前中、はくたかに乗っていた時はあんなにいい天気だったのに。
でも、はくたかに比べて地味な特急北越の車窓には雨がよく似合う。私はそんな気がしてきました・・・(続く)