今年3月の北陸新幹線金沢開業に伴うダイヤ改正では、新潟県でも多くの列車が姿を消すことになりました。
その中でも特に私が感慨深かったのは、新潟と金沢を結んだ特急北越号の廃止でした。
廃止間際になって石川・富山・新潟県内の主な駅に張り出されたポスターの、フレーズがとても印象的でした。
「46年間見続けた日本海よ、さらば。」・・・そう、特急北越は私が生まれる前から走り続けてきたのです。
だから私は心に決めていました。3月13日は北越のラストランに必ず乗車しようって。
上りのラストランとなる特急北越10号金沢行きは、18時13分に新潟駅を出発します。
新潟駅では特設売店が出現。特急北越の記念グッズが販売され、乗車前に買い求める人の姿が見られました。
新潟に生まれ育った私にとって、特急北越はいなほと同様になじみ深い列車でした。最後の日が来るなんて・・・
この日、上りの北越は2~8号には空席がありましたが、ラストランとなる10号だけは満席となっていました。
もっとも自由席も3両ありますので、始発の新潟で早くから並べば確実に座ることはできたと思います。
私は「北越10号」と印字されたラストランのきっぷを手元に残したかったこともあり、指定席を確保しました。
乗車口案内板の真下に立った私は、やはり寂しくなってしまいました。いつもなら胸が高鳴るはずなのですが。
いよいよ入線の時刻となりました。ホームにいた多くの客が、一斉に視線を特急北越の方に向け始めました。
所定の位置に停止しました。ラストランを飾るのは485系3000番台R(リニューアル)編成という車両です。
正直に言えば、この車両ではなく国鉄色をまとった485系T18編成かK1編成を期待していたんですけどね。
先頭車付近にはあっという間に人だかりができました。反対側のホームにもずらりと多くの人が並んでいます。
かつて北越がこれほどまでに多くの人々に囲まれたことがあったでしょうか。ラストランならではの光景ですね。
ちょうど夕方のニュースの時間帯でもあり、北越のラストランを生中継していたテレビ局もあったようです。
特急北越の毎日走り慣れた金沢への旅路もこれが最後。折り返しとなる列車のない、片道限りの旅となります。
多くの人に見送られ、いよいよ特急北越10号が出発しました。車内は列車旅ファンで満席の状態です。
中には座席を向かい合わせにして北越の思い出を語り合うお客さんの姿も。これもまたラストランならではです。
私はというと、車窓の闇夜を見つめながら、1人静かにラストランの旅に浸って過ごすことにしました・・・(続く)
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