(第5話からの続きです)
地図を見ると森から東室蘭までの直線距離は大したことなさそうに見えますが、線路は結構な距離があります。
それもそのはず、線路は内浦湾を取り囲むように海岸に沿って大きく円を描くように走っているからです。

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相変わらずすっきりとしない天気です。それもまた一興と思えてしまうのが列車旅のいいところだと思いますね。

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果てなく広がる荒涼とした風景は日本離れしていて、まるで大陸横断鉄道にでも乗車している気分になります。

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長万部に到着です。ホームに人の姿はなく閑散としています。北斗星から下車する人も全然いませんでした。
乗客のほとんどは北斗星に乗ること自体が目的のはずですから、終点の札幌まで乗り通すのでしょうね。

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長万部を出ると、これまで走行してきたJR函館本線とはお別れです。ここから列車はJR室蘭本線を進みます。

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室蘭本線はかつて石狩地方の石炭輸送に重要な役割を果たした路線で日本一黒字だったこともあるそうです。
そのため非電化ではあるのもの、複線区間が多くなっています。非電化の複線って結構珍しいんですよね。
ざて、私はこの先あるものを見落とすまいと車窓を凝視し始めました。そう、今話題になっているあの駅・・・

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あっ、これですこれ。小幌駅です。トンネルとトンネルの間にあり、日本一の秘境駅として名高い駅なのです。
鉄道か船舶でしか行くことができないという立地で、いったい何のためにここにあるんだっていう駅です。
実は残念ながら今年の10月で廃止される予定であり、今は連日大勢の人が惜別に訪れているそうです。
この日もホームから北斗星に手を振る人たちがいました。私も廃止日までに一度降り立ってみたいのですが・・・

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列車は円を描くように進んでいきます。つまり進む方向が北→東→南へと少しずつ変化することになります。

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天気は回復しつつあるようです。車内から見上げた北海道の空はやはり広いですね。秋の気配も感じました。

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洞爺付近では進行方向左側に有珠山と昭和新山が見えてきます。車掌さんが車内放送でガイドしてくれました。

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東室蘭に到着しました。久しぶりに大きな駅にやって来たという印象があります。旅も残りわずかになりました。
ここから先は電化区間ですが、北斗星はこのままディーゼル機関車が終点札幌まで引き続き牽引を行います。

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登別に到着です。北海道を代表する温泉地の1つですが、ここでも北斗星から下車する客はほぼゼロでした。
そう、完全廃止日が近づいた今、あくまでも終点札幌まで北斗星に乗り続けることが大切なのです。
もし登別が最終目的地であったとしても、私なら札幌まで行ってから引き返しますね。おかしいでしょうか?

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苫小牧では再び霧に包まれました。この日の天気はどうもすっきりしません。幻想的でいいんですけどね。
晴れそうでいてなかなか晴れない。まるで今の私の心の中をそのまま映し出しているかのようです・・・(続く)