機が熟すのを待っていたという訳でもないのですが、先日以前から気になっていた場所の探検に出かけました。

未舗装の山道を進んでいきます。熊除け用のベルを持ってきていたのに車に置き忘れてしまい、慎重に前進。
結構な上り坂がしばらく続き、日頃の運動不足も手伝って、情けないことに息が上がってきてしまいました。

やがて目の前が開けました。事前の調査によると、かつてこの付近に温泉宿が存在していたらしいのですが・・・

周囲を見渡すと一枚の朽ちかけた看板があることに気づきましたが、記載事項は全く判読できませんでした。
とにかく現地調査を始めることとし、勘に任せてやみくもに藪に突進してみたものの、手がかりがつかめません。

このままでは無念のロストに終わってしまう。嫌な予感が頭をよぎり始めたその時、遂にヒントを発見しました。

塩ビパイプがあるではありませんか!私は俄然元気を取り戻し追尾を開始。しかしこれが思わぬトラップでした。
パイプを追って深い藪に入り込んでしまったのです。なかなか前進できず、無駄に時間が過ぎていきました。

それでもめげずに調査を続けていると、夏草でカモフラージュしたかのような物体が現れたではありませんか!

疲れ果てていたことを一瞬で忘れ、興奮気味に接近してみると、その物体は石垣であることが判明しました。
これはきっと、かつて建物の土台として使用されていたに違いありません。その石垣を駆け上がってみると・・・

そこに私が探し求めていた答えがありました。かつてあったという温泉宿の浴槽が奇跡的に残っていたのです。

しかも源泉は健在。廃業してどれだけ時が流れたのかは分かりませんが、今もこうやって生き続けていました。

源泉パイプはどこから来ているのだろう?もう藪をさまようことはなさそうなので、追跡してみることにします。

源泉はこの横穴から自然湧出しているようです。これを長い塩ビパイプで延々と浴槽まで導いているのでした。

この塩ビパイプは、宿の廃業後も源泉が健在であることを知った先人が持ち込んだものなのかもしれません。
あくまで私の勝手な推測なのですが、現場の状況からすると、その可能性はかなり高いものと思われます。

となれば、先人の偉業に感謝し、私もその恩恵にあずかることにしたいと思います。まずはパイプを少々移動。

源泉が浴槽に直接投入されるようにしました。このタイルの浴槽も、マニア心を大いにくすぐってくれますよね。

源泉の温度は33.1℃と温めです。でも、源泉探検でかいた汗を流すには打ってつけの温度と言えるでしょう。

もう何も言うことはありません。今日はここでしばらくのんびり過ごそう。極上な秋の休日になりそうです・・・(続く)
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