福島県内をドライブしていた時のことです。偶然、少し前に廃業してしまったらしい温泉宿を見かけました。

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建物自体はまだそれほど傷んでいないように見えます。廃業に追い込まれた理由は一体何だったのでしょうか。

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敷地内はひっそりと静まり反っています。このまま廃れていくのみかと思ったその時、あることに気づきました。

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そんなに腐食している訳でもないのに、保護色のように背景に紛れていたこの物体。これはもしかして・・・!?

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何と源泉バルブでした。そっと開栓してみると、チョロチョロとではありますが湯が出てきたではありませんか。

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源泉の温度は29.1℃です。かなり低めですが温泉法の定義はしっかり満たしています。つまり天然温泉です。
予想外の展開に胸がときめいた私でしたが、この状況ではたらいに湯を溜めるのは少し難しいと思いました。

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湯口の位置が低過ぎて、直接たらいに湯を投入することは不可能。バケツで汲むにも湯量が少な過ぎます。
と、その時、さらにあることに気がつきました。源泉バルブの基部から細い管が枝分かれしているのです。

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これならホースを装着することができるかもしれない。私はあわてて車にホースを取りに行きました。果たして?

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やった~、上手くいきました!時間がかかることは間違いありませんが、バケツでひたすら汲むよりマシです。

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う~ん、この光景、我ながらせこいといいますか、かなりバカバカしいような気もします。でも、笑えますよね。

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やっとこの高さまで湯が溜まりました。日没の時刻が迫ってきましたので、妥協してもう入ってしまいましょう。

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ここまでして入る必要があったのかどうかはちょっと疑問な気もしますけど、ユニークな湯浴みを楽しみました。
旅館は廃業しても、しっかり生きていた源泉。きっと消雪用なのでしょうが、私には置き土産に思えました・・・