いつか行ってみたいと思い焦がれていた野湯。先日、急に思い立って、その野湯の探索に出かけてきました。

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当日はあいにくの小雨模様。しかし、そんなことは全然気になりません。私はそれだけ無我夢中だったのです。
だいたいの場所は事前に突き止めてはいましたが、アプローチについてはぶっつけ本番。すると目の前に・・・

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見事に白濁した沢が現れたではありませんか。その美しい光景に、私は思わず息を呑み込んでしまいました。

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下流方向を眺めると、木箱がいくつか並べられていました。ここではかつて、硫黄の採取を行っていたようです。

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白濁した沢からは湯気が立ち上り、雰囲気は満点です。さらにその流れを追って、下ってみることにしましょう。

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あっ、これは!私は敏感に反応しました。一部の温泉マニアの間では有名な、ドーナツの形をした岩風呂です。
大きな岩をくり抜いた、なかなか立派な湯船ですよね。これは、かなり昔に廃業した温泉宿のものらしいです。

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さらに探索を続行すると、朽ち果てた廃屋の中に、内湯の湯船が今もひっそりと残っていることが分かりました。

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そして私はこの物体の前で立ち止まりました。そう、これこそが今回の遠征の最大のお目当てだったのです。
その形状から源泉枡だと推察されるのですが、宿が廃業した今となっては、もう無用の長物と言えるでしょうね。

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しかし源泉の温度は43.5℃と超適温!私はもう小雨のことをすっかり忘れ、衣服を脱ぎ始めてしまいました。

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わ~、これは素晴らしい。やや窮屈ですが、これは極上の湯船と言えます。肩まで浸かることができましたよ。

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しかも最初は澄んでいた湯が、見る見るうちに濃厚なクリーム色に変化。体全体が硫黄の香りに包まれました。

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湯船の底にはクリーミーな泥がたっぷりと沈殿。手ですくって体に塗りたくれば、手軽に泥パックを楽しめます。

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源泉はこの枡の底から自噴しているようです。結構な湧出量があり、常に湯がザーザー流れ去っていきます。

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そのため、しばらく時間が経過すると、また湯が澄んできます。何度も出たり入ったりを繰り返してしまいました。

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おそらくこれが今年最後の野湯探索になると思うのですが、最後を飾るにふさわしい、素晴らしい野湯でした。
この日体に染みついた硫黄の香りは、しばらく消えることはありませんでした。何度もクンクンした私でした・・・