恥ずかしながら告白すると、私はこれまで箱根に行ったことがありませんでした。お高いというイメージがあって。
でも、箱根にもリーズナブルな料金で利用できる共同浴場がいくつかあると知り、行ってみることにしました。
あっ、どうやらこの建物のようですね。少し分かりづらい場所にありましたが、ピンクの外壁は相当目立ちます。
また、国道沿いには、手作り感に満ち溢れたド派手な幟があるので、これを目印にしておくといいと思います。
この共同浴場は「太閤湯」といいます。箱根の宮ノ下地区にあるのですが、看板には区営と書かれていました。
区営の意味がよく分からなかったのですが、幟には「立ち寄り」と書いてあるので早速中へ入ってみることに。
なるほど、区営というのは、「宮ノ下地区の自治会による運営」という意味だったのですね。これで納得しました。
ちなみに、「自噴源泉 露天風呂ないです」という文章も、少し分かりにくい表現ですよね。自噴源泉もないの?
入浴券は400円。箱根では安いのですが、青森県や鹿児島県の共同浴場に比べるとやや高めの設定です。
雨の中を歩いてきたので、温泉で体を温めようと期待して中に入った私でしたが、試練が待ち受けていました。
というのも受付のおばさんは、明らかによそ者を警戒するかのような対応。私はそんなに不審だったでしょうか。
しかも、受付の途中で地元の方が顔を出すと、私への応対はそっちのけでおしゃべりを開始。なんだかなあ。
おまけに、「ここは本来、地元の住民のための浴場なんですよ」と念を押される始末。歓迎されてないんだな・・・
その他にも面食らった点がいくつかあるのですが、それらをいちいち書き連ねるのは止めておきますね。
おお、浴室はシンプルでなかなかの雰囲気ではありませんか。しかも貸切状態です。私は気を取り直しました。
当然、循環装置はありません。では源泉の投入方法はどうなっているのでしょう。どうやら手動のようですね。
浴室内の掲示によると、誰も入浴していない時は源泉投入を中断するようです。節約を心がけているのですね。
ところで、浴場委員会というのは面白いですね。自治会の中に設置されているのでしょうが、学校みたいです。
3か所の蛇口というのはこの3つですね。左の蛇口には長いパイプが装着されており、浴槽下部から湯を投入。
右側の上下の蛇口はどういうことなのだろう。とりあえず、私は3つとも開栓してみることにしました。すると・・・
右側の湯口から湯がザバザバと出始めました。源泉が高温なので、加水できるようになっているのでした。
私は熱い湯に入りたかったので、青の蛇口は閉めてしまいました。自在に温度調節ができるのはいいですね。
うん、これは素直に気持ちいいです。何より、終始貸し切りの状態で満喫できたことが大きかったと思います。
夏から秋にかけての時季は、窓を開けて利用する人が多いのでしょうか。壁には浴場委員会からのお願いが。
最後の「ごめんね」っていうのが、どこかほのぼのとしていていいと思いました。あのおばさんが書いたのかな?
なお、驚いたことに、男性用の浴室がもう1つありました。脱衣所は共通です。これは面白い構造ですよね。
浴槽が小さい分、こちらの浴室の方が鮮度の良い湯を楽しめます。せっかくなのでこちらにも入っておきました。
温泉にすっかり満足したこともあり、私は入浴前のおばさんの応対ぶりについては、もう忘れかけていました。
帰り際、礼を言うと、「ちょうど雨も上がったわよ」と笑顔で言ってくれたおばさん。玄関を出ると土砂降りでした・・・
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