昨年(2015年)の大晦日、私は隣の富山県に出かけました。ある温泉に入るためにです。その温泉とは・・・
朝日町の「たから温泉」です。列車で出かけたのですが、最寄駅はあいの風とやま鉄道の越中宮崎になります。
国道8号沿いにあり、国道と併走する線路の向こうに日本海が見えるという、なかなかいいロケーションです。
ただし、曇天が多く、大陸からの季節風が強く吹き付けるこの時季だと、寒々とした光景に見えてしまいますね。
なお、この付近の国道8号は、たら汁を提供する店が多く存在することから「たら汁街道」とも呼ばれています。
看板といい、建物の外観といい、どことなく青森県でよく見る温泉施設の雰囲気に似ているという気がしました。
このたから温泉でもたら汁の提供を行っており、入浴しないで食事のみの場合でも気軽に利用できるようです。
建物の中に入ってみると、旅館のような構えです。それもそのはず、こちらでは宿泊することも可能なんですよ。
入浴料金は大人500円。休憩室もあるようですから、1日ここでのんびり過ごすなら決して高くはありませんね。
さて、押し迫った大晦日に、慌ててわざわざここまで入りにやって来たのには、大きな理由があるんですよ。
そう、この日をもってこの温泉施設は休業してしまうのです。休業に入る理由はよく分かりませんでしたけど。
あくまで休業なので復活の可能性もあるのですが、各地の温泉が廃業に追い込まれている現実を考えれば、
それはきっと難しいかもしれませんね。昨年の12月だけでも、全国でいくつの温泉が消え去ったことでしょう。
しかし、休業のお知らせの張り紙の上には、なぜか「キムチあります」の紙が。ちょっと笑ってしまいました。
ここではキムチの製造・販売も行っているみたいです。キムチ作りを今年で止めるということではないですよね?
館内にはさまざまな物が並べられていました。こちらのご主人の趣味でしょうか。なかなかのコレクションです。
さらに、正面通路の奥には薬師如来像が鎮座。ご主人が熱心に信仰しておられる様子が伝わってきました。
こちらの温泉では、毎年3月に四国への遍路のツアーを主催してきたようです。宗教系温泉とも言えそうですね。
宗教系温泉といえば、新潟には「西方の湯」があります。西方の湯は温泉マニアによく知られたB級温泉です。
最初のうちこそ、たから温泉の雰囲気は青森県にある日帰り温泉によく似ていると思っていた私でしたが、
脱衣所に到達する頃には、むしろ西方の湯に雰囲気が似ているかもしれないと思い始めていました・・・(続く)
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