(第8話からの続きです)
ブレーキ故障のため、途中の洞爺駅で立ち往生してしまった寝台特急カシオペア。この先どうなるのでしょうか。

先を急ぐ人には申し訳ないのですが、私はこの状況を喜んでいました。それだけ長く列車に乗れますからね。
ただし、洞爺駅での運転打ち切りだけは勘弁してもらいたいものです。ブレーキの復旧をのんびり待ちましょう。
車内の様子を見に行ったところ、車掌さんに詰め寄るような乗客もおらず、ラウンジカーもまったりしていました。

車掌さんから運転再開のアナウンスが入り思わず安堵。結局約1時間20分遅れで洞爺駅を出発したのでした。
その間に雨が降り出してしまいましたが、それもまた一興。どうか終点札幌まで無事完走してもらいたいですね。

伊達紋別に到着です。ここでまたもや足止め。単線区間が存在するため、ダイヤのやり繰りが大変なのです。

対向列車が到着次第の発車ということで、車掌さんからはホームには降りないでと下さいとのお願いの放送が。
私も素直にその指示に従い、ドアの内側からの見物に留めました。列車の遅れはさらに拡大しそうな感じです。

海辺の小さな駅・北舟岡を通過。秘境駅小幌もそうですが、この辺りには一度降りてみたい駅が多数あります。

しばらくすると、進行方向の右手前方に工場群が見えてきました。あれは工業都市・室蘭のコンビナートですね。

大きな港湾施設も見えてきました。列車に乗ってこういう光景をじっくりと眺めるのが私は大好きなんですよね。

東室蘭に到着しました。終点札幌まであと残り約130キロメートルです。いよいよラストスパートに入ります。

列車が登別に到着した頃、例の大阪の若者が私の部屋を訪ねてきました。個室の番号を教えておいたのです。
このまま終点札幌まで行くと函館行きのスーパー北斗10号に間に合わないので、途中で下車せざるを得ない、
とのこと。何という運命のいたずらでしょう。せっかくここまで来たのに、札幌まで完乗することができないなんて。
彼には同情するしかありませんでしたが、でもこうやってわざわざ知らせに来てくれたことがうれしかったです。

間もなく製紙業の町・苫小牧です。スーパー北斗10号に乗車予定の人はここで降りるよう放送が入りました。
どうやら彼以外にも、すぐに函館に引き返す計画を立てていた人が結構いるようです。さぞかし無念でしょうね。
大阪の彼は、苫小牧の次の南千歳でもギリギリ乗り換えられそうだと言っていました。どうするのでしょうか。

岩見沢へ向かう室蘭本線を離れ、列車はJR千歳線に入りました。すると今度は男女のカップルが私の部屋へ。
カシオペアを札幌で降りた後、スーパーおおぞら5号で釧路へ向かうはずでしたが、間に合いそうにないので、
不本意ではあるけれど次の南千歳で乗り換えるとのこと。列車の遅延を楽しんでいた自分が恥ずかしいです。
「おかげさまで楽しかったです。ありがとうございました」と言ってくれた素敵な2人。私も彼らに感謝しました。

時計はとうとう12時を回ってしまいました。本来のダイヤならば、もうとっくに終点札幌に到着している時刻です。

南千歳に到着。結局、大阪へ向かう若者もここで下車したようです。この先の無事を願わずにはいられません。
道東へ向かうカップルには手を振ってサヨナラしました。せめてどうかこの先は順調に旅を続けられますように。
「もしどこかで会ったら、また声をかけてくださいね」・・・なんて言ってお別れした私。でも、よく分かっていました。
再び偶然出会う可能性は限りなくゼロに近いのだということを。旅も人生も、所詮そんなものなのです・・・(続く)
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