失って初めてそのありがたみを身に沁みて痛感する、いつも当たり前に走っていた列車が今春姿を消しました。

北海道新幹線の開業日が7日後に迫った3月19日。フェリーで北海道入りした私は札幌駅にやってきました。

早速指定席券売機へと向かいます。どうやら最近新型に置き換えられたようですね。これはちょっと残念かも。
というのも、新型券売機の場合、きっぷに感熱紙が使用されるからです。コレクションには不向きなんですよね。

まあ、それは仕方ないことと潔く諦めることにして、事前に予約していたきっぷを受け取る操作を始めましょう。

予約していた列車。それはもちろん、間もなく姿を消す急行はまなす号青森行きです。しかもB寝台券です!

無事発券できました。実はJR北海道予約サービスは急行はまなす号の寝台にも対応しているという優れもの。
しかも、みどりの窓口だけでなく、指定席券売機でもきっぷを受け取れるのです。これは本当に便利ですよね。
廃止が決定してから寝台券が取りにくくなっていましたが、私は希望通りの下段寝台券を確保できたのでした。

これまで何度も北海道からの帰りに利用してきた急行はまなす号ですが、札幌からの乗車はこれが最後です。
出発案内の電光掲示板を見上げた私は、もうこの時点で数々の思い出が脳裏を過ぎり、胸がいっぱいでした。

ホームに駆け上がると、カメラを持った人達がたくさん集まっていました。入線の時を今か今かと待っています。

私は2号車の乗車口案内板の下でその時を待ちました。さすがは北海道、夜の冷え込みはまだ厳しいですね。

暗闇の彼方から燦然と輝くヘッドライトが見え始め、グングンとこちらに向かってその光が大きくなっていきます。
いよいよ急行はまなすの入線です。北の大地のターミナルに入ってくる夜行客車列車。胸が熱くなりますよね。

列車を牽引する機関車は、ホームの先端ギリギリの場所に停止。そこにたくさんの人だかりができています。
これでは余程前から陣取ってないとまともな写真は撮れませんね。私は正面写真の撮影を早々に諦めました。

はまなす号はJRで最後まで残った唯一の定期急行列車です。方向幕の「急行」の文字が郷愁を誘いますね。

そして、はまなす号は昔ながらの開放式寝台車を連結する唯一の列車でもあります。これは本当に貴重です。
この旅が終われば、もう二度と開放式寝台車に乗ることはない。私はいつになく感傷的な気分でした・・・(続く)
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