(第3話からの続きです)
急行はまなす号青森行きは22時丁度に札幌駅を出発します。しかしこの日は22時を過ぎても止まったまま。
21時55分に到着する稚内からの特急スーパー宗谷4号が遅れているので、接続のための措置だそうです。

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これは冬季にはよくあることで特に珍しくもありません。途中の函館で長時間停車するので回復可能ですしね。

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闇夜に浮かぶ急行はまなすのテールマーク。素朴で旅情を誘う、なかなかいいデザインのマークだと思います。

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ちなみに、2号車(寝台車)と3号車(座席車)の間の貫通部では、テールマークをじっくり見物することが可能。
こうやって間近で見ると、ちょっと稚拙な印象を受けるのも事実ですが、庶民派急行にふさわしいマークです。

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接続待ちの特急が到着し、定刻から約10分遅れて、急行はまなす号はようやく静かに札幌駅を出発しました。

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通路のベンチには、就寝前のひと時を車窓を眺めて過ごそうという乗客がずらり。これは皆上段の人でしょうね。
このベンチですが、大の大人にとっては座面が狭く、この姿勢で長時間座り続けるのは結構大変なんですよ。
下段なら自分のベッドに座って車窓を楽しむことができるので、下段を確保できたことに改めて感謝しました。

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副都心の駅・新札幌に到着。ホームの有効長が短いので、長大なはまなすの編成の一部がはみ出します。
安全確保のため、ホームからはみ出してしまう号車のドアは開きません。この現象は次の千歳でも起こります。

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まだ日付が変わる前ですが町はもう寝静まったようです。電球色の街灯がキャンドルライトのように煌めきます。

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ここで、はまなす号の寝台車の設備を紹介しましょう。夜行列車に不可欠な洗面台は各車両に2か所あります。
リフォームされており、3面鏡に自動水栓でなかなか使い勝手がいいです。ただし冷水器の設備はありません。

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トイレも各車両に2か所あります。長距離の夜行列車の旅では、トイレの数が多いことは安心感につながります。

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ちなみに表示は「トイレ」ではなく「便所」となっています。こんな所にも昭和時代の面影が色濃く残っています。

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トイレは和式で昭和レトロそのもの。室内の手洗い器も懐かしいですよね。壁の変色が時の流れを物語ります。
バリアフリーの観点からも今の時代にはそぐわないのでしょうが、後世に伝えたい造形美があると思いますね。

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苫小牧に到着。道内で5番目に人口の多い都市ですが夜のホームは侘しく、夜が更けるのが早く感じられます。
急行はまなす号では深夜になると寝台車の放送が省略されます。どこかから寝息も聞こえてきました・・・(続く)